2020年 1月 23日 (木)

故・小林陽太郎氏の経営哲学 中小企業に活かした実例

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社員に「自筆コメント付き」書籍を手渡す

   「人を大切にし、人を育てることにも力を注いだ教育者」についてはこうです。中小企業は社内研修なんてとてもやれるだけの余裕はないからと、小林氏がゼロックスの新入社員宛にやっていたというやり方を参考にして工夫しました。時々、社員一人ひとりに読ませたい書籍の裏表紙に自筆でコメントを書いて手渡すことで自己研さんを促すなど、常に社員一人ひとりの成長を願っていたのです。

   「社員が時には押しつけがましいと思っているかもしれませんが、せめてもの親心です。社員一人ひとりに何が足りないのか、常にそこを補ってあげることを考えて書籍を選んでいます。もちろん私自身も同じ本を読むことで知識の共有ができ、時々その話題で会話を交わすことで社員との一体感も生まれるわけなのです」

   私は、大企業のリーダーである小林陽太郎氏の経営哲学が、こうして中小企業経営に活かされていることに驚きました。K社長ほどの思い入れある対応ができるか否かは別としても、「大企業経営者のやり方は中小企業には参考にならない」と一蹴してしまうのは違うと、私はこの折に学ばせていただいた次第なのです。

   最後に余談ですが、その後の事。ある時に現社長であるご子息Sさんもまた、先代の遺志を継いで同じ経営スタイルを貫かれていることに気が付かされる出来事がありました。Sさんからいただいた年賀状にあった彼の第一子のお名前が陽太郎だったのです。名経営者小林陽太郎氏の経営哲学は、名もない中小企業経営でこうして脈々と生き続けていくのだなと、実に感慨深い思いにさせられました。

   小林陽太郎氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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