「6月解禁」に大賛成 就活と教育実習めぐる意外な本音

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   学生時代、教職課程をとっていなかった石渡です。

   そんな私が今回ご紹介するのは「就活時期と教員志望学生」です。

   2017年卒から、選考解禁が4年生6月に変更となりました。これを巡って、大学・学生から反対論がいまだに強くあります。

   その理由として、教育実習との重複が挙げられます。では、これが6月解禁反対の理由になり得るのでしょうか?

教育実習と就活で「併願」に

教育実習の時期と・・・
教育実習の時期と・・・

   教育実習を受けようとする教員養成系学部(または教職課程)の学生からすれば、選考解禁時期は切実な問題です。

   教育実習は、いつとは決まっていませんが、多くの学校では6月に集中します。長期休みがない、大きな学校行事(文化祭、体育祭、入学式など)がなく指導しやすい、など受け入れ側の事情があるからです。

   教員免許を得るためには教育実習が必要です。そこで、教員養成系学部や教職課程の学生は、4年生6月に教育実習を入れる学生がほとんどです。

   教育実習を受ける直前までに、教員採用試験か、民間企業就職か、選択している学生であれば問題ありません。

   しかし、どうしても迷う学生や、教職課程履修で「民間企業志望だけど、けじめとして免許だけは持っておきたい」とする学生は、教育実習を受けつつ、就活を進めることになります。言うなれば「併願」状態。

16年卒・17年卒とも「併願」できない

   この「併願」、15年卒までは可能でした。選考解禁が4年生4月。5月ごろまでに就活を終えているか、8月以降の夏・秋採用に臨むことで、時期をすみ分けることができたからです。

   しかし、16年卒からそれができなくなりました。8月に選考解禁だと6月が説明会のピーク。どう考えても両立するのは無理があります。もちろん、5月以前に内定を出す企業を受けていれば両立できたでしょうが、それほど多いわけではありません。

   かくて、16年卒の就活生は「併願」できなくなってしまいました。では、17年卒はどうか、と言えばこれも無理があります。6月に選考解禁ですから、やはり教育実習と重複してしまいます。

   かくて、新聞等では、6月選考解禁を否定する材料として、教育実習を挙げることになります。

   もちろん、教育実習参加を考える学生も、負担の重さから6月選考解禁には否定的です。

受入側は6月解禁に賛成

   一方、教育実習を受け入れる側、つまり、小中高の教員は、8月であれ、6月であれ、その時期の選考解禁に賛成が多数です。

   というのも、小中高とも、教育実習を受け入れる側からすれば、どうしても教育実習生の受け入れが大変です。それを受け入れるのは、後進の育成が目的です。

   ところが、教育実習参加のみの学生だと、15年卒まではいくら受け入れ側が熱心に動いても、後進の育成はできませんでした。何しろ、民間企業就職に逃げてしまうのですから。

   しかし、16年卒・17年卒のスケジュールだと、教育実習の期間が就活と重複します。それだけ、教員採用試験か民間企業就職か、はっきり選択する学生が増えます(学生からすれば、選択せざるを得ない、というところですが)。教育実習の受け入れ側からすれば、実は、16年卒・17年卒の就活スケジュールは大賛成なのです。

   私も教員養成という点から考えると、新聞等が指摘する「6月解禁だと教育実習に学生が参加できない(から反対)」との論調はそもそも筋違いと思うのです。

学生は決断と報告を

   では、17年卒の学生はどうすればいいでしょうか?

   ここまで書いたように「併願」はきわめて難しいものがあります。そのため、3年生3月以前には、教員採用試験で行くのか、断念して民間企業就職に切り替えるのか、早めの決断が必要です。

   そして、教職課程などでどうしても教育実習に参加するしかない学生は、志望企業に対して正直に話しましょう。

   それによって、選考や内定承諾書提出期限などが優遇される可能性があります。仮に優遇などがないにしても、黙ったままだと、トラブルの元です。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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