2019年 12月 8日 (日)

「若者は会社の飲み会が嫌い」は幻想? ギスギス職場が生まれ変わったワケ

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   関東某県を中心として携帯電話販売店チェーンを展開するH社。業容拡大に伴い、ここ1年で東京近郊へも相次いで出店を計画しました。スタッフはH社の地元地域で採用し経験を積んだ者を配置しましたが、当初の社長の心配は、「店長は30代後半、スタッフはほとんどが20代の独身。遠隔地で管理が不行き届きになり、若いスタッフばかりの店舗運営に支障か出ないか」でした。

   携帯販売店は若い店長が切り盛りすることが多く、慢性的な繁忙から人間関係がギスギスしがちです。いじめやパワハラ、協力姿勢の欠如などから定着率が悪化して、結果、サービスの低下が起きて顧客からのクレームが増えるなど、悩みが絶えないのが実情なのです。

アパート一棟借りの社宅で、多くの社員が同じ生活

飲み会が復権中!?
飲み会が復権中!?

   ところが新店の2店は、フタを開けてみれば他店に比べてスタッフの定着率は驚くほど高く、来店客からの評判も上々。業績も滑り出しは予想上回って順調でした。社長から「理由はよく分からないが、2店舗に共通する、運営がうまくいく秘訣があるのなら他の店舗に役立てたい」という話が出て、急きょ現場ヒアリングを行うことになりました。

   店長へのヒアリングでは、これといった収穫はありませんでしたが、スタッフへのヒアリングで、従来の店舗ではあまり聞かれない話が出てきたのです。

   A店20歳女性一般スタッフの話。

「職場以外にもスタッフ同士で話をする機会が多いので、他の人たちが何を考えているのかよく分かって、仲間意識が以前の職場よりも強く感じられるようになりました。前の職場よりも明るく感じられるのは、単にお店が新しいからだけではないような気がします」

   B店24歳女性リーダー格スタッフの話。

「はじめての一人暮らしなのですが、毎日楽しいです。アパート一棟借りの社宅で、多くの社員が同じ生活をしているので、みんなで食事に行ったり仕事帰りにお酒を飲みに行ったり。本店勤務時と全然違うので、こちらの勤務を希望してよかったと思っています」

   A店28歳男性管理役職者の話。

「店舗オープンから半年ですが、辞めるスタッフがほとんど出ていません。一人暮らしが多いからなのか、不思議と共同生活的なムードで和気あいあいとできている感じがします。我々管理者もすごく楽です。みんな、元の店舗には戻りたくない、って言っています」

   B店の管理者からも、A店管理者と同じような話が聞かれました。みんなの話を総合し、キーワードになりそうなものをまとめて整理すると、「一人暮らし、共同生活という状況下で、仲間意識が生まれ、仕事以外でも対話の機会が増えた」、そんな感じです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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