ひとは人生の中でどれだけ「無駄な時間」を過ごしているのだろう。仕事に家事、ニュースのチェックに友人とのつきあいなど、日々忙しく過ごしている私たちにとって、自分が今使っている時間を客観的にとらえ直すことは難しいかもしれない。アイルランドのボランティア団体「MellonEducate」が、そんな忙しい現代人をドキっとさせる動画キャンペーンを2016年3月17日から始めた。私たちは何に時間を無駄に使っているのか?ボランティアへの参加もしくは寄付をせまる同団体は、アフリカで学校を7日間で建てるプロジェクト「BuildingBlitz」を2014年から展開している。3回目を迎える今年は、11月5日?12日に実施予定。本プロジェクトの参加者を募集するために始めた動画キャンペーンが「WHATTHEFUCKHAVEYOUDONE?」。日本語に訳すと「一体今まで何をやってきたというんだ?」といった感じ。題名からして、普通のお堅い(?)ボランティア団体ではないことが伺える。この動画は、「余計なことに時間を使っていないで、自分とひとの人生を変えるようなことをしよう」というメッセージを伝えている。ひとの一生の時間をビーチの一握りの砂に例え、人びとが一体どれくらいの時間を何に使っているのかを伝えていく。例えば、ひとは一生のうち、・26年を睡眠に、・9万9170時間を家事に、・3万8003時間を食事に、・2463時間、落ち込み、・そして、1年と2日間をFacebookに使っているという。ちなみに計算の根拠は明らかにされていない。「じゃあ何もしないでそこに座ってろ!」そうした無駄(?)な時間のなかでも同団体がもっとも注目し、より有効に活用するよう訴えている時間は、「夜更かししながら考え事をしている時間」。決して無駄な時間とは言い切れない気もするが、ひとはなんと「7年」もそれに使っている(らしい)。そして動画のナレーターは、「今度、そんなことに使える時間があるなら7日間のアフリカでのボランティアに参加してみては?」と、動画に表示された「DoorDonate(参加か募金)」のボタンをクリックするよう促すのだ。「DoorDonate」のボタンが表示されたところで動画は終了するかと思いきや、その後もナレーションは続く。参加ボタンをクリックするのをためらっている視聴者に向けて、「じゃあ何もしないでそこに座ってろ!」と挑発。すると、3つの動画が始まる。「HotGirlFail(ホットな女子の失敗)」に費やすよりも...3つの動画とは、美女がビーチで遊んでいるシーン、子犬がおやつを一生懸命食べているシーン、そして建築作業現場で作業員がボールを蹴って遊ぶシーン。これらの動画は、まさに私たちが無駄に時間を費やしてしまうオンライン動画の定番テーマ「HotGirlFail(ホットな女子の失敗)」「CutePuppy(かわいい子犬)」「TrickShot(すごいショット)」を皮肉にも表している。そして各動画の最後には、「こんな動画を見たりネットサーフィンをしたりしている時間があるなら、ボランティアに参加しろよ!」とダメ押しで呼びかける。ボランティア団体のキャンペーンには大概シリアスなものが多い。今回の動画は、多少無理がある気がするものの、実にユーモア(と皮肉)にあふれており、人の目にも止まりやすかったのでは。ちなみに、同団体のサイトによるとボランティア参加費は、一回につき$5500(約62万円)とお高めだ。(執筆:中井千尋、編集:岡徳之)
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