2021年 3月 5日 (金)

学生を惑わす「年収」という数字マジック 給料外のうまみにも目を向けろ

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平均年収では分からない福利厚生

   公表された平均年収が低くても、それは基本給を抑えているだけで、住宅手当などが手厚いせいで実質的な年収が相当高い企業があります。

   たとえば、次の2社を比較してみましょう。

   A社...平均年収600万円、住宅手当は一律5万円、家族がいる場合はなし

   B社...平均年収500万円、住宅手当は家賃の9割相当額、家族がいる場合も賃貸なら9割の支給を継続(※平均年齢はともに40歳)

   住んでいるエリアがほぼ同じ、勤務地も結婚年齢(30歳)も同じ社員がいたとしましょう。結婚するまで借りていた物件は勤務地から電車で30分ほど、2DKで月10万円だったとします。

   A社だと、住宅手当は月5万円ですから、22歳で入社したとして、8年間で企業の負担額は480万円。B社は、住宅手当は家賃の9割相当額ですから、家賃が10万円なら9万円負担。8年間で企業の負担額は864万円。これだけで384万円もの差が出ます。

   実際には、B社だと、「電車で30分、2DKで10万円」の物件よりも好条件、たとえば「徒歩20分、3DKで20万円」のような物件を借りることだってできるかもしれません。しかも、B社は結婚後も家賃補助が続きます。一方、A社には、そのような高待遇がありません。見た目の平均年収が下でも、住宅手当などのうまみを含めれば長い目でみてB社の方が実質的に上、と言えます。

   平均年収が気になる学生はどうすればいいでしょうか。

   まあ、目安の一つ、として調べるのはいいでしょう。が、商社・金融などを含め、低く見せている可能性が高い企業の場合は鵜呑みにするわけにはいきません。数十万円、あるいは100万円程度の差があってもあまり関係ない、ということもあり得ます。紹介した例のように、関係ないどころか、低く見える企業の方が実は高待遇というケースもあるのです。

   もちろん、福利厚生は会社説明会で長々と聞く話ではありません。大まかなことは求人情報などで公開されていますし。

   どうしても気になるなら、会社説明会のあとの個別質問やOB訪問などで聞いてみるのがいいでしょう。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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