2019年 12月 13日 (金)

性善説と任せっぱなしは全然違う 燃費データ改ざんで思い出すあの名言

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「任せて任さず」

   大切なのは、信頼とチェックのバランスだろう。つまり「人はそもそも誠実さ(善)を備えている」という信頼感をベースに相手に任せながらも、「人は誰でも自分に甘く、弱い心をもっている」という点も忘れずに、「ちゃんとできているか」というチェックを怠らず、できていなければ軌道修正を促すという勘所を押さえて初めて、性善説による管理は成り立つ。

   松下幸之助の名言に「(権限委譲は)任せて任さず」というのがあり、現在でもパナソニックの管理職研修における重要なキーワードになっていると聞いたことがある。さすが、言い得て妙だ。部下に任せるだけなら誰にでもできる。任せつつも責任をもって見守り、導かなければならないのがマネージャーの辛いところであり、醍醐味でもあるということだろう。

   名言をもう一つ。山本五十六の有名なことばに、

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

があるが、これには次のような続きがあるということを、恥ずかしながら最近知った。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

   「やってみせ......」は新任者に対して基本動作を叩き込むレベルといえるだろう。その上で、部下をさらに育成して才能を開花させるためには、やはり「任せる」「信頼する」という要素が不可欠になってくるということが、この名言からも見て取れる。

   しかし、真の性善説によるマネジメントを実践するためには、ただ「任せて」「信頼する」だけでなく、部下をしっかり見守って、コミュニケーションを大切にし、成果を認めることも怠ってはならない。山本五十六はそのようなことも力説していたのかと、痛く感心した。

   それに続けるのはおこがましいが、かわいい部下を不正に走らせないためには、次のような心掛けも必要だろう。

「言い放ち、任せっぱなしで、鵜呑みにし、正さなければ、人は誤る」

(甘粕潔)

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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