2024年 4月 26日 (金)

議論に強い学生はあの人に似ている 面接は勝ち負けじゃないのに

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素直になれるか

   これは、何も舛添知事のような屁理屈(中国服を着ると習字がよくできる、など)だからいけない、というのではありません。たとえ主張が正しい内容だったとしても、評価されません。むしろ、「正しい内容なのにそれを他の学生に伝えられなかった」とマイナスにすら見られてしまいます。

   海外出張でのファーストクラス利用、公務以外での公用車の使用、家族旅行への政治資金流用疑惑など、いずれも「辞めなければならないほど大きな話か」といえば、意見の分かれるところです。私個人としては、そこまで大きな話とは思えません。もちろん、知事の振る舞いとしては不適当でした。それが記者会見などで指摘されたとき、素直にその非を認めて早いうちに謝罪していれば、辞職にまでは追い込まれなかっただろうとする記事が多数ありました。

   これは「舛添」学生も同じです。

   面接で、学生の考え方の甘さや間違いなどを指摘する面接担当者がいます。特に中盤から終盤にかけては、個人面接などが増えて、学生一人にかける時間が増えてきます。しかも、面接を担当するのが部長クラス、役員クラスと上がっていき、社会経験も豊富。 どうしても、学生のアラが見えてしまいます。

   ここで、素直な学生であれば、「私の不勉強でした」などと自分の不足を認め、その指摘を受け入れて引き下がります。ところが、「舛添」学生は、討論に持ち込んでしまいます。

「いや、そうおっしゃいますが、私の研究では......」
「ご指摘のようなこともあるかもしれないですが、でも......」

   こうなると、もはや面接どころではありません。この「討論」に勝ったところで、得るのは選考不合格の通知のみです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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