2019年 6月 25日 (火)

社員の目標達成執念はどこから湧く いかんせんこの人が淡泊では

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   企業は、利益追求集団です。従業員の生活を守るために、常に一定の利益を上げなくてなりません。すなわち企業経営者が達成すべき目標を掲げ、その目標達成に向かって皆を努力させるのは当たり前のことです。もし目標すら掲げようとしない経営者がいるとするなら、それは従業員の生活を守ることなど眼中にないことの裏返しであり、そのような経営者は今すぐにでも廃業の道を選ぶべきかもしれません。

超優良支店でつまずいたエリート

トップ自ら決意を示せ
トップ自ら決意を示せ

   目標を掲げた後の課題は、言うまでもなくその目標をいかにして達成させるかです。目標の達成に関して、私は自分自身の経験からひとつの確信をもっています。それは、

「多くのメンバーが『目標を達成する』と思っている組織は目標を達成する確率が高い」

ということです。

   私の銀行員時代の話です。本部セクション勤務時の上司Fさんは、とても温厚で部門間調整に長け、かつ部下の評判もよく、その本部での管理手腕を評価されて超優良店の支店長に異動しました。そのS支店は、優良法人が続々進出するような恵まれた環境にあり、約20期(1年が上下2期なので、足掛け10年)連続で総合表彰を受けるような、他にはまず例のない素晴らしい成績を残していました。

   出世街道のメインストリームを歩いていると目されるFさんの「猫が支店長をやっても総合表彰が取れる店」への異動は、誰から見ても本部での実績に対する「ご褒美人事」に映りました。

   ところが異動から半年後の表彰店発表にS支店の名前はありませんでした。まさかの連続表彰ストップ。周囲から「たまたま運が悪かったんだよ」と慰められていたFさんでしたが、次の期もまた表彰を逃し、約1年という短期間で支店長のイスを追われ、二度と戻ることはありませんでした。

   同じようなことがその後もありました。私が副支店長で赴任したK支店は、強面のT支店長のもと、店の雰囲気こそややギスギスしていたものの3期連続で総合表彰を受けていました。赴任直後に各担当者と面談したところ、「とにかく目標達成に対する、T支店長の自信がすごいです。毎期上乗せされる目標にも全く動じることがなく、『絶対に達成するぞ!』という意気込みに引っ張られ、僕らも知らず知らず『個々人の目標は必ず達成するものだ』と思い込むようになり、毎期クリアできています」といった類の声が続々聞かれたのでした。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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