いっそ4週間休暇とったらどうだ いいことばかりじゃないか(江上剛)

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   残業を無くすのは簡単だ。会社ごと休んじゃえばいいのだ。えっ! そんなことできない?

   村上春樹さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?』という紀行文集にフィンランドの場面がある。

いつも不幸な顔をしている

フィンランド人のように4週間休めばいい
フィンランド人のように4週間休めばいい

   人口500万のこの国も日本と同じように不景気らしい。「(不景気で)本があまり売れないもので」と出版社社員が愚痴をこぼす。

   ところが彼らは7月に4週間ほどの休暇をとる。村上さんは「いいですね。景気が悪くなると、ただ不景気な顔をしているしかない国の人とはちょっと違う」と書く。

   4週間の休暇! 日本人からは信じられない。不景気になると、もっと働けと自らに鞭を入れ、他人にも労働を強いるのが日本人だ。

   こんなに国が豊かになって、テロが頻発したり難民が発生する国に比べたらどれだけ幸せか分からないのに、いつも不幸な顔をしているのが日本人。フィンランド人から見ると、精神的に病んでいるとしか思えないんじゃないか。

   もし日本の会社員が7月に4週間の休暇を取得したらどうなるか?

あなたの会社でやればいい

   私は地方創生なんて問題は一気に片付くと思う。みんな地方に旅行したり、滞在場所をもったりするだろうから地方は豊かになるだろう。みんなの顔色がよくなり、精神的にも健康になるから、健康保険財政も改善し、仕事もはかどるだろう。

   休暇中の仕事を代替する人が必要になる可能性もあるから、ワークシェアリングが進み、労働市場もよくなる。休みが長いとスマホばかりやっているわけにはいかない。本も読むだろうから出版社も潤うだろう。

   いいことばかりじゃないか。本当に4週間休暇取得をやってみればいい。

   できないよ、と言うだろう。日本全体で無理なら、あなたの会社でやってみればいい。きっと話題になってホワイト企業の代表として人材が集まるに違いない。

   残業を減らす一番の方法は、私の経験から言っても、時間で区切って強制的に仕事をやめさせることだ。その結果、いろいろなところに無理やひずみが現れる。それを丁寧に取り除く努力をすればいい。

   それらを取り除いてしまった時、会社には無駄な残業が無くなっている。これは間違いない。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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