2024年 5月 5日 (日)

労組を作りたいというなら 職場全体を考え覚悟を決めろ(江上剛)

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経営者は労組が嫌い

   私は人事部に所属していたことがあるから、あえて言わせてもらうけど、経営者は基本的に労組が嫌いだ。

   労組があったほうが、職場環境が改善されて、経営効率が上がるんだけど、そんな考えを持っている経営者は少ない。労組イコール共産党と思っている。仕方がない。資本主義の世界だ。

   私は、若手行員の時、サービス残業を強いる課長に文句を言って残業をみっちり請求したことがある。課長はビビって「こんなことをしてもらっては困る」って言った。

   「あんたのくだらない指示でサービス残業が多くて困るんだ」と私。

   すると「君は共産党員かね」と彼。「違います」と私。

   結果は、余計な仕事の指示はしないとの妥協が成立したが、彼は私の人事ファイルに「不平不満が多い。気をつけるべし」と記入した。そのことは次の転勤先で課長から聞かされた。その課長がいい人だったから、私は人事上の不利益を被ることがなかったが、もしそのメモを鵜呑みにされていたら、私はスポイルされていただろう。

   労組を作る=不満が多い、と思われるから君も覚悟をしたほうがいい。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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