2021年 6月 14日 (月)

ソニーの「学歴不問」から25年 その歴史的意味と自らの凋落と

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ウソで就職機会を奪っている

   一方で、「実質が伴っていない」と批判したのがジャーナリスト溝上憲文氏でした。

   溝上氏は、2005年に出版された著書『超・学歴社会』(光文社ペーパーバックス)に2004年のソニーの採用者数上位校リストを提示。慶応義塾、東京、早稲田、東京工業、京都など旧帝大・早慶クラスがリストの上位を占めていたことから、ソニーの学歴不問採用が「詐欺に等しい」と断じました。

「学歴不問の看板を掲げてput up a signboardも、現実は一部の銘柄大学の学生しか採用されないのであれば、看板を信じて応募applyした『二流、三流大学』の学生は、採用される可能性がほとんどない企業に応募することで、就職活動中の貴重な時間precious timeを浪費waste させられていることになる。これはウソをつくことによって、学生の就職の機会employment opportunityを奪っているに等しい行為だ」

   なお、一部英語併記は、光文社ペーパーバックスの特徴でした。

   私は、「学歴不問」実施前の1991年と1992年から2016年までの経年変化を「サンデー毎日」/大学通信のデータにあたり集計してみました。

   1991年(学歴不問採用の実施前年)、採用者総数は1000人。東京、京都、大阪、一橋、東京工業というトップクラスの国立大から54人、早慶上智(早稲田、慶応義塾、上智)クラス142人、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政。最近は学習院を入れてG・MARCHとも)クラス87人、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)クラス27人、日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修)クラス15人、産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)クラス0人、などとなっています。

   それが、1992年(学歴不問採用の1期生)は、国立トップ27人、早慶上智126人、MARCH82人、関関同立29人、日東駒専19人、産近甲龍5人と変わります。前年は0人だった産近甲龍クラスが5人、日東駒専クラスも4人増加。

   しかし、日東駒専・産近甲龍クラスからの採用はその後、減っていきます。1997年、2003年、2008年、2016年の実績を調査したところ、日東駒専クラスからはそれぞれ5人、4人、2人、0人。産近甲龍クラスからは0人、0人、1人、0人。東大などのトップクラス、早慶上智クラスが占有率でそれほど減らない中、日東駒専・産近甲龍クラスは壊滅状態です。いくら採用者数が減っている(1991・1992年1000人、2008年500人、2016年274人)とはいえ、結局は国立トップか早慶上智か、というところ。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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