2021年 6月 18日 (金)

ソニーの「学歴不問」から25年 その歴史的意味と自らの凋落と

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「実力不問」と誤解され

   ソニーの学歴不問採用が罪作りであったのは、応募自由のイメージを醸し出し、その自由なイメージから「実力までも不問」と誤解されてしまったことです。

   ちょっと考えればわかることです。学歴、すなわち大学名のブランド力が強ければ、「あの人は東大だから」「あの人は早稲田だから」と周囲を納得させる力があります。周囲とは社内の同僚、上司や社外の取引先など全般を示します。

   その大学名(学歴)が特にない、というのであれば、周囲を納得させる別の何かが必要です。大学のAO入試であれば、部活動なり、語学なり、場合によっては「一芸」でも構いません。しかし、企業では、ごく普通のサークル活動、習い覚えた語学、趣味的な一芸を超えた、仕事に生かせる実力が必要です。それを何のスキルもない大学生に求めるのは無理があります。

   しかし、その無理が通らないとなれば、学歴不問採用といえども、中堅以下の私大生が上を逆転することは極めて困難でしょう(特に文系総合職)。そのことをはっきりさせないまま、実質的には難関大生のみ採用していたのは、ちょっと罪作りな話です。

   このソニーの学歴不問採用が、大学名依存の就活市場を個人重視へと変えるきっかけとなった功績は認めるにしても、それが「新しいものは異質なものが集まった中から生まれる」というソニー自身の理念に合致したものであったのかどうか。1992年に1000人採用だったソニーが2016年は274人採用と7割減。時代は変わりますね。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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