高人件費が「辛い世の中」生む 日本でカレー売って感じたこと
2016.10.25 16:15
0
辛い世の中でないと成り立たない
これも、経営者目線で見ると仕方がないことです。原価の中で人件費の比率が低いカンボジアでは、人を余計に雇っても、その人がサボっていても問題は少ないです。しかし、人件費の比率が高い日本だと、そんなことを言っていられません。高い給料の分稼いでもらわなくてはならないので、キッチリと難度の高い仕事をこなしてもらわないと経営が成り立たないのです。
日本でブラック企業がはびこっている理由のひとつは、この辺にありそうです。難しい仕事をキッチリこなさないと怒られるというのは、能力の低い人には辛い世の中です。休む間もなく働かされるのは、体力のない人には辛い世の中です。しかし、その辛い世の中にしないと経営は成り立たない。
もちろん、日本よりも人件費が高いであろう欧州では、ブラック労働はあまり問題になっていないので、理由はこれ以外にもあるのでしょう。しかし、たった1日、日本の飲食業経営者をやってみただけで「これは、ヤバイ」と思ってしまう、そんな状況にあると感じたのは事実です。(森山たつを)