2020年 12月 6日 (日)

家族主義がいやなら転職しろ 外資に逃げても差別はあるが(江上剛)

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「職場がやたらと家族主義で、ついていけないと感じます。仲良きことは良いことなのですか」

   家族主義の会社は多いよ。大企業だって出光興産のように大家族主義を標榜しているところもある。

   家族主義は日本的経営の伝統だ。昔の商店は、主人を中心に番頭、丁稚などがまるで家族のように暮らし、経営を行っていた。商店は家であり、社員は家族だ。

実力主義から揺り戻しが起き

一つ屋根の下
一つ屋根の下

   その精神は現在の日本企業にも受け継がれている。例えば独身寮や社宅を作り、そこに社員を住まわせ、医療、教育なども会社が面倒をみて、運動会、社員旅行などを行い、結束を図る。リストラはできるだけしない。定年後の再就職も世話をして、亡くなったら葬式まで挙げる。

   しかし低成長になってこの家族主義も徐々に崩壊し始めた。

   年功序列の給与や昇進体系も崩れ、社宅はマンションに転売され、運動会も社員旅行もなくなった。高度成長が終わり、社員に平等に配当できなくなったのだ。会社は実力主義の名の下に、家族主義を放棄した。

「家族主義は日本的経営の悪しき慣習であり、ぬるま湯だ」

と経営者は言い始めた。社員たちを屋根付きの家から追い出し、荒れ野へと追いやり、サバイバルだと尻を叩いたのだ。

   ところがこの実力主義も非常に評判が悪い。社員の人間関係がぎすぎすし始めたのだ。

   そこで最近、会社は運動会や社員旅行などを復活させ、家族主義に先祖帰りするようになってきた。

   やっぱり日本人には家族主義が合っているんじゃないかな。ウエットで、自由度が制限され、自分の実力が評価されない気持ちを抱くこともあるが、仲間との絆を感じることで生産性が向上することは実証済みだという。やはり仲良きことは、良いことなのだ。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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