2024年 4月 26日 (金)

「素性のよい株」を安く買う! ブリヂストン、新大統領と好相性

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   2017年1月に米国の次期大統領に就任するドナルド・トランプ氏。その保護主義的な政策に注目が集まっている。

   日本の輸出産業にとって、米国経済の浮沈や米国市場での評価は個々の企業の業績にすぐさまハネ返ってくる。グローバルブランドで、世界首位のタイヤメーカーのブリヂストンもそういう企業の一つ。じつは、そんなブリヂストン株を買い足したいと機会をうかがっているところだ。

  • ブリヂストンは世界首位のタイヤメーカー(写真は本文と直接関係ありません)
    ブリヂストンは世界首位のタイヤメーカー(写真は本文と直接関係ありません)
  • ブリヂストンは世界首位のタイヤメーカー(写真は本文と直接関係ありません)

自動車にタイヤは必需品

   ブリヂストン株は、2007年4月27日に2450円で100株を購入したのが最初。8月にサブプライム問題をきっかけに世界同時株安が起きる直前で、翌08年9月のリーマン・ショック、09年6月の米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破たんと続いていく時期に当たる。さらに2011年3月には、東日本大震災と東京電力福島原発の事故が起こり、11年10月にはタイで大規模な洪水被害があった。

   こうしたことから、2007年8月~09年3月にかけてブリヂストン株は下落。08年8月~12年末にかけて1500円~2000円のボックス圏で推移した。このタイミングで最も安く購入できたのは2009年6月12日、1396円で100株を購入。合計500株を保有することができた。ちょうど米GMが経営破たんし、世界中の株価が大きく下げた時期に当たる。

   周知のとおり、2012年12月に「民主→自民」の政権交代が起こり、安倍政権が誕生。アベノミクス効果で日経平均株価は大きく上昇する。2012年12月以降の上昇過程で400株を売却し、34万5000円の売却益を得た。

   その後2015年5月13日に4657円で100株購入し、現在200株保有。ブリヂストン株を最も多く保有していた時期は、2009年6月の500株だった。

   日本経済を支える輸出産業の一つが自動車。その自動車にタイヤは必需品だ。ブリヂストンは世界一のタイヤメーカーであり、優れた技術開発力をもっている。業績もよく、株価は日経平均株価と連動しがちなうえ、景気回復の過程で最初に上昇する傾向が強く、至って「素性のよい銘柄」といえないか。

   トランプ次期大統領が掲げるのは、自国産業への過激な「保護主義」だ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの脱退を「2017年1月の就任当日に宣言する」と表明。米国への輸出が多い日本やメキシコ、中国の商品は関税を引き上げるともいわれる。自由貿易の機運が後退。多くのエコノミストが、世界経済の停滞や金融市場の混乱を招き、日本経済に悪影響を及ぼすとみている。

   その一方で、2016年11月8日の米大統領選後のここ1か月間、日米の株式市場は、トランプ氏の政策手腕への期待から円安株高が進む、予想外の事態が起きている。

米国内でも「自給自足できる」

   そうしたなか、11月10日付の日本経済新聞は、「ブリヂストン6%減益 1~9月最終 鉱山機械向け不振」の見出し。その記事の中で16年12月期通期の業績は従来予想を据え置いた。

   「江藤彰洋副社長は昨年(2015年)暖冬の影響で伸び悩んだ好採算の冬用タイヤについて『今年は例年並みに販売できる』と語り、10~12月期は需要が盛り返すとの見通しを示した」と伝えている。2016年は11月に東京で初雪を記録。寒気の到来も早く、冬用タイヤは例年以上の売上げが期待できるかもしれない、と考えている。

   一方、日興Opening Belは11月22日付で、ブリヂストンについて、「トランプ次期大統領により米国で保護主義的な政策がとられても、米国内で自給自足できるグローバルタイヤメーカーとして、相対優位性が評価されよう」と指摘。ブリヂストンは「米国に15か所のタイヤ工場と18か所の多角化事業の工場を保有し、多数の米国籍従業員が就労している。これに加え、米ファイアストーンを買収したこともあり、日本ブランドではあるものの、在米日系企業としての存在感は強い」と述べている。

   低迷する鉱山用タイヤも、トランプ氏の公約の一つに「大規模なインフラ投資」が含まれており、明るい兆しが見てとれる。

   為替相場はドル高・円安に大きく振れており、現時点では日本経済にとって好ましい方向にある。たとえトランプ氏が掲げる「米国ファースト」が、2017年の日本を含む世界経済を揺さぶるとしても、米国経済が上向くのであれば、それ自体が株価にプラスに働くともいえる。

   じつは、ブリヂストン株をみるうえで見逃せないのが中国問題だと考えている。中国に関し2016年12月4日付の日本経済新聞1面によると、「中国経済は落ち込みに歯止めがかかりつつある。7~9月期まで3四半期連続で実質成長率は年6.7%。景気の下支えは公共投資で1~10月の固定資産投資は前年同期比83%増になった」と伝えている。

   中国の自動車販売は、米国をしのぎ世界1位。中国の動向は、良きにつけ悪しきにつけ、国際社会に、政治的・経済的に、大きな影響力を及ぼしている。企業が拡大再生産を続けていくためには、世界一の中国市場を抜きにしては考えられないはずだからだ。ブリヂストン株は12月16日に年初来高値を付けている。

   とまれ。もしかしたら、「買い」のタイミングは過ぎているかもしれない。(石井治彦)

ブリヂストン
2016年12月20日現在    200株保有   平均取得単価 3867円24銭
年初来高値 2016/12/16/   4463円00銭
年初来安値 2016/06/28/   3089円00銭
直近終値  2016/12/20/   4398円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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