「呪い」の自縛から脱け出そう 金持ちなのに幸福度低い日本人

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   2016年下期に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。 このドラマの中で、次のような台詞が出てきました。

「私たちの周りにはたくさんの呪いがあるの。自分で自分に呪いをかけないで」
  • いくつになっても、堂々と好きなように生きていく
    いくつになっても、堂々と好きなように生きていく

あなたの未来も価値がない?

   「呪い」という言葉。これが、東南アジアに比べて圧倒的に金持ちにもかかわらず幸福度が低い、日本の現状を言い表した言葉だと感じました。

   この台詞は、アラフィフのキャリアウーマン「百合ちゃん」が、歳をとった人をバカにする、年齢が自分の半分の女性をたしなめる言葉です。歳をとっていることを見下す彼女を、

「あなたが今、価値がないと切り捨てたものはあなたの未来でもあるのよ。あなたがなりたくないものになっていくの、辛くない?」

と諭します。

   この「呪い」とは、いってみれば「極度の思い込み」です。ゆりちゃんをバカにする女性は「女性は歳をとったら価値がない」と思い込んでいます。そして、その思い込みは自分自身も束縛するものであり、時が経つにつれ、歳をとっていく自分を苦しめ続ける「呪い」になっていくのです。

   日本にはこういう「呪い」がたくさんあります。

「歳をとったら無価値」
「お金がなくなったら生活できない」
「今の仕事を辞めたら人生台無し」

   こうした呪いから、老いに無理に逆らったり、無意味に貯金を続けたり、身体を壊してまで今の仕事にしがみついたりすることになり、結果的にどんどん不幸になっていきます。

50歳になってもセクシー写真

   そういうありさまは、呪いと無縁な東南アジアの人たちから見ると奇妙で滑稽に映ります。

   東南アジアの女性は、40歳になろうと50歳になろうと平気でFacebookに自分のセクシー写真をアップしますし、給料はもらった瞬間に全額引き出します。仕事だって嫌になったら即座に辞めます(午前中イヤになったら、ランチから帰ってきません)。ほとんどの日本人より金銭的には貧しいはずですが、明らかに楽しそうに生きています。それは「呪い」が少ないからでしょう。

   「呪い」の難しいところは、必ずしも完全に的外れではないことです。

   確かに、歳をとったら異性から言い寄られる確率は減りますし、お金がなければ困ることはたくさんでてきます。仕事を辞めて、今よりも給料などの待遇が悪くなることもあります。

   ただ「過剰な思い込み」=「呪い」と言ったように、日本人は恐がり方が過剰なのです。

   50歳になってもセクシーな格好でパーティーに行き男性を誘惑する女性は、呪いなんか関係なしに自分で自分の道をつくっています。貯金ゼロで病気になった人や、平気で仕事を辞めて次の仕事が見つからない人なんかは、家族や友達や会社から借金をします。借金を申し込まれるほうも、自分がそうなったら同じことをするということが分かっているので、結構気軽にお金を貸します。

   このノリが、すなわち「呪い」とは逆のあっけらかんとした、後先を考えない考え方が、幸せそうに見える人生を形づくっているのです。男性も女性も同じです。

   まあ、東南アジアの人たちと一緒に生活していると、それはそれでいろいろ大変なこともあるのですが、「呪い」から解放されたいと思っている人は、東南アジアに友だちを作って、彼らの生活をリアルに見てみることをおすすめします。

   人生、なんとかなるもんです。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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