マネープランに賢く役立てよう 「ねんきん定期便」の情報活用

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   「ねんきん定期便」は、国民年金、厚生年金の被保険者に対して、保険料の納付実績や年金の見込額など、年金に関する個人情報を通知、確認するために2009年4月から始まり、毎年誕生月に送られてくる。

   2011年2月からは「ねんきんネット」もスタート、最新の年金記録をPCやスマホで確認できるようになった。同年10月からは人生設計に合わせて年金額を試算できる機能も追加されたが、「ねんきんネット」の利用者はまだまだ少ない。

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    けがや病気で会社を休むと傷病手当金が

生命保険の前に遺族年金がある

   「ねんきん定期便」に関してよくいわれてきたのは、年金の見込額がわかり、自分で準備すべき老後資金が把握できるということ。だが、そのほかにも利用価値のある情報がある。

   まず、いざという時の遺族年金額がわかり、生命保険に加入の際、ムダのない保障額がつかめる。また、病気やケガで働けなくなったとき、健康保険(国民健康保険は対象外)の被保険者に支給される傷病手当金の給付額がわかり、医療保険加入の検討材料になる。

   遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つに分けられる。遺族基礎年金は子の人数に応じた定額制、遺族厚生年金は老齢厚生年金の4分の3の額だ(加入月数が300月に満たない場合は300月で計算)。

   たとえば、「ねんきん定期便」に記載されている老齢厚生年金の見込額が294,400円、加入月数119月、遺族は妻(30歳未満)と子(18歳未満)1人の場合、

   遺族基礎年金=基本額780,100円+加算額224,500円=1,004,600円

   遺族厚生年金=294,400円×300月/119月×3/4=556,600円(百円未満四捨五入)

   合計すると遺族年金は1,561,200円となり、月額13万円程度が受け取れるので、妻と子の生活費が25万円必要なら、月額12万円分の生命保険を検討すればいい計算だ。妻の収入などが期待できるなら、その分を差し引く。

医療保険の前には傷病手当金が

   傷病手当金は会社を休んだ日が連続3日間(待機期間)あったうえで、4日目以降休んだ日に対して支払われる。「ねんきん定期便」に記載されている最近の月別状況で、直近12か月の標準報酬月額を平均し、その額を30日で割った標準報酬日額の3分の2に相当する額が支払われる。

   たとえば、標準報酬月額の平均440,000円、31日間継続して休んだ場合、

   標準報酬日額=440,000円÷30日=14,670円(十円未満四捨五入)

   支給日数=31日-3日=28日

   1日あたりの支給額=14,670円×2/3=9,780円

   支給額合計=9,780円×28日=273,840円

   傷病手当金は1日あたり9,780円となり、5,000円近く収入が減る。その分をカバーする選択肢として医療保険を検討すればいい。

   年金ばかりでなく、医療や介護財政もますます厳しくなる時代。「ねんきん定期便」から得られる情報を老後に向けたマネープランに大いに役立てたいものだ。(阿吽堂)

阿吽堂(あうんどう)
マネー誌編集者・ジャーナリスト。「マネージャパン」編集長、「マネープラス」の編集部長などを歴任。現在は雑誌・書籍・ムックなどを幅広く手がけるベテラン。
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