「頑張れば賃金上がる」とは! 連合会長発言に異論反論相次ぐ

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   給料が安すぎる、ボーナスが雀の涙だった......などなど、多くのビジネスパーソンが賃金への不満を抱えているに違いない。自分の働きぶりからすればもっともらえるはず、納得できる対価が欲しい、と願い出たい人も多いのでは。

   そうした「働きに見合う賃金をもらっていない」という鬱憤がたまっているせいもあってか、日本労働組合総連合会(連合)の神津里季生会長が「頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻す」と発言したところ、ネット上では一斉に反発の声が上がった。

「常識を取り戻すのが大事」

「頑張れば上がる」が常識ですか
「頑張れば上がる」が常識ですか

   神津会長の発言は、2017年の春闘において4年連続でベースアップに相当する賃上げを要求する方針を掲げていることについて、NHKのインタビューに対して述べたもの。

「20年近くデフレの深い闇の中で沈んだままだった。多分『物価が上がっていないので賃上げできないが理解してくれ』ということが繰り返されていた。しっかりとベースアップできるところは4年目も継続させる。一生懸命頑張ったことに報いる形で賃金が上がる常識を取り戻すのが極めて大事」

   さらに「賃上げ率はむしろ中小の方が上という結果を導き出したい」など、中小企業や非正規雇用で働く人の賃金底上げや格差是正に力を入れるとも話した(17年1月2日報道)。

「労働側が言っちゃだめ」

   こうした神津発言に対し、経営・ITコンサルタントの渋屋隆一氏は、運営するサイト「ど真ん中を生きる独立・経営」に、「頑張れば給料が上がるなんて嘘だ」と題する反論記事を掲載している(17年1月4日)。

「この方はいつまで高度成長期の経済を前提にしているのだろうか?既に成長の時代は20年前に終わっています」

と、神津会長が成長の終焉という現実を受け入れていないと批判し、「大事なのは、経済停滞の現実を受け入れて、その上でどうするか?です」と主張。

   さらに、「頑張る」という言葉についても、「無駄な行動を肯定してしまう雰囲気がある」と違和感を隠さない。むしろ、「従業員1名当たりの粗利益を20%上昇できれば」といった、具体的な言葉で条件を示すべきだという。

   ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみ氏も、自身の「シェアーズカフェのブログ」で、「連合会長へ 頑張っただけで給料が上がったら企業も国も潰れます」というタイトルの記事で反駁している(17年1月5日)。

   「給料は従業員の頑張りで決まるのではなく、あくまで企業の成果、つまり利益の中から支払われる」との持論からタイトルのように主張し、

「高度経済成長期と違って労働人口は減り、長時間労働で多くの労働者が疲弊し、過労による自殺者が年間何百人も発生する中で考えるべきことは、頑張って収入を増やすことでは無い。『楽して大儲け』をすることだ」

と異議を唱えている。頑張るのではなく「楽して大儲け」、すなわち「生産性を上げる」ことを目標にすべきだという主張である。

   ツイッターを見ても、会長発言への疑問や批判的な見方が目立つ。

「これ完全に経営者側の論理。『頑張った』基準が成績なので、暗に『成績が上がらなかったら賃金は上げないよ』と言われているのと同義。労働者側がこれ言っちゃダメ」
 「『頑張ると賃金増える』のであるから、頑張れば頑張るほど収入は上がる。つまり、ハードワークが高収入につながる、という世界だ。おそらくは結果として残業が増え、労働時間は伸びる」
 「会社が社員の頑張りに報いる常識を取り戻すべきでは?社員達は頑張って無いから今以上に会社に尽くせと言いたいのだろうか?」

など、連合会長の「頑張れば」発言が過重労働の推奨になってしまうのではないか、と不安に感じる人が多いようだ。(MM)

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