銀行が熱心な「外貨建て保険」 メリットあるがクレームも急増

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   マイナス金利でもお金を増やそうと銀行に行くと、外貨建ての一時払い保険や、株などで積極運用する投資信託をすすめられる。相続税の節税効果を期待する高齢者や老後資金確保のために退職金を運用したい人は格好のターゲットになる。

   投資信託は名称からして「投資」だから慎重になる。しかし、外貨建て保険は、円に比べて金利が高い豪ドルや米ドルなどで運用する「保険」だ。株や投信は怖いが、保険ならとハードルが低くなる。

  • 「保険」といっても為替リスクに加え高い手数料も
    「保険」といっても為替リスクに加え高い手数料も

際立って高い販売手数料

   保険であるがゆえに死亡保障など保障機能があり、保険料控除や相続の際の税控除など税制上のメリットもある。金利低下の影響で円建ての年金保険や終身保険など貯蓄性の高い保険が販売停止あるいは値上げとなり、外貨建て保険は売れ筋商品となった。

   しかし、その陰で「こんなはずじゃなかった」というクレームも急増している。

   外貨建て保険の金利が高いといっても、為替リスクのある豪ドルや米ドルベースの利率である。死亡保険金や年金、解約した場合の返戻金も基本的に外貨であるため、円高になると円ベースでは元本割れになる可能性がある。

   また、金融庁の調べによると、外貨建て一時払い保険の販売手数料は平均で7%弱。銀行が扱う商品の中で際立って高い。それだけの高い手数料を保険会社は銀行に払う。

   保険会社は手数料分以上に利益を上げる必要があるから、金利の高い外貨で運用しても契約者に回る分は少ない。1年未満で中途解約すると10%も「解約控除」を引かれる商品もある。運用期間が短いと保険会社が手数料分を回収できないのだ。

   金融庁もこうした高い手数料を問題視し、2016年10月から貯蓄性の高い外貨建て保険などの自主的な手数料開示が始まった。しかし、手数料の水準は依然として高いままだ。

コスト競争する投信会社

   保障機能はさておき、高利回りを期待するなら、手数料の安い商品はいろいろある。

   手数料に開示義務がある投信もそのひとつ。値動きが市場平均に連動するよう運用するインデックスファンドは、販売手数料ゼロの商品が多い。運用で差が出ないので、投信会社はコスト競争となり、保有期間中の信託報酬も下がってきた。

   コストは運用成果を大きく左右する。為替変動というリスクを背負い、高い手数料を支払う外貨建て保険はいかにも割に合わない。(阿吽堂)

阿吽堂(あうんどう)
マネー誌編集者・ジャーナリスト。「マネージャパン」編集長、「マネープラ ス」の編集部長などを歴任。現在は雑誌・書籍・ムックなどを幅広く手がけるベ テラン。
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