2024年 4月 19日 (金)

なぜ住宅ローンを嫌がるのか 妻を喜ばせたいと思わないか(江上剛)

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「妻がローンを組んで家を買おうといいます。私はローンを背負うと会社を辞められなくなるようで気が進みません」

   ローンを背負うと会社を辞められなくなる? 分かるようで分からない質問だね。

  • マイホームを買うにはローンの負担が
    マイホームを買うにはローンの負担が
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望みを叶えるため仕事に励んだ

   いつでも会社を辞めるというほど身軽でありたいなら、どうして結婚なんかしたの? 結婚というのは、相手の女性の人生にあなたが責任を持つってことでしょう? 子供もできるだろうし、そうすると家も欲しくなる。これは人として当然の欲求じゃないかな。

   あなたの妻がローンを組んで家を買いたいというのなら、あなたはそれに応えるべきだ。

   私は27歳で結婚した。そして社宅に住み、子供ができた。妻は家が欲しいと言った。自分でいろいろな家を実際に見ていた。それが楽しみで、一つの目標にもなったらしい。それで30歳過ぎでマンションを手に入れ、それから買い替えで今の場所に40歳過ぎで建売住宅を購入した。子供が独立し、妻と二人の生活になった50歳過ぎに建て替えた。

   こうやって見返すと、家に関しては10年サイクルで動いている。これは皆、妻が望んだことだ。私は、その望みを叶えるために、真面目に仕事に励んだ。

   妻の要望に対して消極的なあなたには奇異に、あるいはきれいごとに聞こえるかもしれないが、妻の喜びは、私の喜びでもある。妻が不機嫌だと仕事にも支障が出る。夫婦というのは、そういうものではないだろうか。

   確かにローンを組んでいる頃は、働いても働いてもローンが減らず、ローン返済のために生活を切り詰めたものだ。しかし、今となってはそれも懐かしい。夫婦一緒に返済に苦労するのもいいと思う。

将来に不安を抱いているのなら

   ところで銀行のローンの仕組みは、サラリーマンが右肩上がりの出世、給料を前提に組まれている。しかし今の世の中、何があるか分からない。リストラあり、吸収合併ありで、あなたもいつ首になるか分からない。

   そんな時、ローンがあれば大変だ。順調に転職できればいいが、そうでなければ生活はたちまちローン返済で困窮してしまう。

   私の知人は、外国育ちのせいか、

「どうして日本人はローンを組んでまで自分の家を持ちたがるのか。借家でいいじゃないか。気に入らなければ引っ越しできるんだよ。収入が減れば、狭くしてもいい。自由自在だ」

と言う。もし心配なら、彼のように借家住まいの哲学で妻を説得するのもいい。しかし納得してくれないだろうな。

   あなたは会社を辞められなくなると言っているが、実は、会社の将来に不安を抱いているんじゃないのか。もしそうなら妻とじっくり将来設計について話し合ったらどうだろうか。

   妻は、私もがんばるからと言ってくれるかもしれない。そうなればあなたの不安をきっかけに夫婦の絆が深まるってこともある。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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