職場の飲み会がイヤ! 「変人」よばわり、でも顔出す価値あり(江上剛)

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カラオケは上司と「銀恋」をデュエット

   前の職場でこんな相談を受けたことがある。 上司がやたらとカラオケ好きでね。ゴマすりの部下が、「今夜もカラオケに行きましょう。女子社員は誰がお好みですか」ってまるでポン引きみたいに用意万端整えるわけ。当然、いつも声をかけられるのはベテラン女子社員。若い女性社員は「イヤです」とはっきり言うからね。ベテラン女性社員は、「しょうがないわね」と我慢して、上司に付き合った。

   ところが、あまりに頻度が多くなり、さすがに根を上げた。そこで会社にハラスメントとして訴えたわけ。「いつもデュエットで銀座の恋の物語ばかり歌わされます。肩を無理やり組まされるんです。セクハラですってね」。

   結果は、その上司は左遷になった。私がその上司を面談したのだけど、彼は自分がハラスメントをしている自覚がまったくなかった。これには驚いた。

   程度にもよるが、内輪の飲み会って「飲みにケーション」ということでやたらと上司ばかりが盛り上がるんだ。俺は、部下とコミュニケーション取ってるぞってね。でもすぐに「領収書お願いします」って会社のカネで支払いを済まそうとするから、ケチな上司って思われて、かえって威厳を無くすんだ。たまには自分の財布で部下をおごらないとね。

   あなたが、上司が無理強いする内輪の飲み会を嫌がるのは当然だけど、あまり有用、無用で分けていると、あなたが追い詰められる気がするな。それが心配だ。

   たまには無用だと思いつつ、内輪の飲み会に付き合ったらいい。社内人脈も作ることができるし、上司の意外な面も発見できるしね。内輪の飲み会の有用な面の発見に努めるようにしたらいいんじゃないかな。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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