ノーネクタイの君! 「TPO」って、知ってます?

印刷

   新入社員研修のピークも終わり、2017年もたくさんのフレッシュマンと会いました。皆さん元気でキラキラとした瞳が印象的です。

   今回はそんな新入社員研修での、ある出来事を紹介します。

  • ネクタイ、はずしちゃダメですか…
    ネクタイ、はずしちゃダメですか…

「ルールなのにダメなんですか」

   新入社員については、よく今年のタイプは...... みたいに一括りで言われますが、私としてはあまりピンときませんが、長く社員研修を担当している企業では、企業のカラーに合った方が毎年入社しているという感じです。

   当然といえば当然。採用担当者は自社の業界や職種、イメージにそった方を採用するわけですから。むしろ企業担当者の要望は概ね共通しています。特に今年は顕著でした。

「考えて働く社員になってほしい」

   そう、口をそろえていました。

   ある日、研修会場へ入ると新入社員の皆さんがスーツにネクタイ姿で緊張した面持ちで開始を待っていました。まだ開始まで少し時間があります。皆さんの緊張感が私にもビシビシと伝わってきます。

   研修がスタートし、まずは緊張をほぐすためにゲームや自己紹介などをします。その際、一人の社員が周囲を和ます、おもしろい回答をしました。経験上、この社員が今日のキーパーソンになります。彼との会話から周囲を巻き込むことができると研修全体が盛り上がり、楽しい時間と空間が演出できるのです。

   そんな感触を得ながら研修を進めていくと、彼一人だけ上着を脱ぎ、ネクタイも外して受講していることに気がつきました。ほかにも上着を脱いでいる社員はいましたが、ネクタイはつけています。

   私は彼のもとへ行き、「どうしてネクタイを外しているの?」と尋ねました。

   彼は「クールビズだからいいんじゃないですか」と答えました。

   確かに、その企業ではクールビズを早々に実施しているため、ネクタイ不着用でも社内ルールに反してはいません。そこで私は続けて質問をしました。

   「そうね、社内のルールには合っていますね。でも今日は研修だからスーツを着用するよう言われたのでは? あなた以外は全員ネクタイをしているわよ。ネクタイを外したいならどうすべきだったと思う?」

   「ルールなのにダメなんですか」とだけ、彼は答えました。

「考えて働く社員」になるために「考えて」

   研修の際、担当者からスーツで参加するよう指示されることは多々あります。企業としては、襟を正してしっかりと受講してほしいという気持ちと講師である私に敬意を払い、そう指示してくださっていると理解しています。

   ですから、暑い日の研修では私から「暑いし疲れると効率が悪くなるので上着は脱いでいいですよ」と、声をかけています。

   さて、先述の彼はどうすべきだったでしょう? それはネクタイを外す前に一言、私に「ネクタイを外してもいいですか? 」と、質問すべきだったのです。

   そうすれば私は事情を聞き、ほかの受講者の様子や研修内容を踏まえて許可するのです。いくら社内ルールがあるといえども、状況に応じた言動、行動をしないといけません。

   彼とのこのやり取りで一瞬、会場内に緊張感が走りました。この後の彼の言動次第では、どんよりした研修になったでしょう。しかし、彼は言われたことを理解し、その後は熱心に、時に彼らしいユーモアな回答で受講してくれました。

   「考えて働く社員」とは、言われたことだけを杓子定規に行動するのではなく、周囲の状況をよく見ながら、臨機応変にどのような言動をすればよいか判断しながら働く社員です。これからの彼の成長が楽しみです。(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

お知らせ

注目情報PR
追悼
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中