【大阪発】先手先手のランドセル商戦 勝負は夏休み入り直後

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   年々早まるランドセル商戦。百貨店や専門店がすでに専用の売り場を開設しており、2018年4月に小学校に入学する子どもに向けたランドセルは、早くも店頭に並んでいる。

   少子化が進むなか、ゴールデンウイーク(GW)には子どもと両親、祖父母の3世代で「下見」に訪れ、百貨店などでは夏休み入り早々にもピークを迎えるとみている。

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    来春が待ち遠しい……

女の子に好評な「取り外しできる」リボン付き

   2017年のゴールデンウイーク。大阪市中央区の高島屋大阪店6階には、可愛いピンクやスカイブルー、落ち着いたキャメルやブラウンなどカラフルなランドセルが並ぶ。祖父母に買ってもらうランドセルの下見に訪れた母親は、「女の子ならもう少し喜ぶのでしょうけど」とおもちゃに興味が行く息子に苦笑いしていた。

   同店では2016年に続き、「これ以上は早くできない」という2017年4月1日から、翌年のためのランドセル70点を売り場に展示。4月26日には150点に拡大した。今年のランドセル商戦の売上目標は、前年比20%増。GW前までの売り上げは「昨年より2割から3割アップしました」と順調なようだ。タイミングをみて、商品ラインアップをさらに広げる予定という。

   高島屋によると、ここ数年の売れ筋は、女の子は「『アナと雪の女王』の影響で寒色系が人気」だったが、2017年は「落ち着いたキャメルで取り外しのできるリボンが付いた物」も好調。男の子は「黒をベースにステッチで違う色が入った品やスポーツブランド」が好まれている。

   売り場では担当者が「お子さんとご両親と祖父母で来店するお客さまが増加しています」と話し、少子化で一人の子どもにかけるお金が増える傾向から、価格帯は6万5000円から7万5000円と金額も高額化している。

「このGWは下見のお客さまを含め、来店客数もかなり増えました」とのことで、ランドセル商戦のピークも「夏休み前半だと思われます」

と、予測する。

   2016年は7月の売り上げが、前年比42.8%増と急伸。例年のピーク月だった8月の売り上げを上回っていた。GWに下見して、夏休みとともに祖父母とともに来店、購入というパターンが定着しつつあるようで、今年も7月にピークを迎える気配が濃厚だ。

丁寧な仕事のスタンダードなランドセルが人気

   ランドセル商戦は、どういった商品をこの1年売っていくかを早い段階で決めている。高島屋によると、最近はデザインを重視する傾向にはあるものの、高度成長期の子どもが多くいた時代と違い、「6年間使うことが前提なので、スタンダードなランドセルも根強い人気があります」と話す。

   その一方で、商品ラインアップを充実。女の子向けには、リボンが取り外しできるランドセルが好評で、デザインとスタンダードを両立。低学年時にはリボンを付けて、高学年では外すという使い方をされている。男の子向けには、今年はウルトラセブン放送50周年ということで、デザインを重視したキャラクター入りのランドセルを取りそろえた。すでに売り切れたという。

   ランドセル商戦にしのぎを削るのは百貨店だけではない。職人たちが一つひとつのランドセルを手づくりで製造していく、大阪市生野区でセミオーダーメードのランドセルを手がける「ランドセル工房 生田」も、4月29日から店頭販売を開始した。丁寧な仕事のスタンダードなランドセルが人気だ。

   多くのランドセルが並ぶショップの向かい側に、製造過程を見学できる工房を設け、3年前に10人ほどだった職人は、パートも含めて14人に増えた。5種類のランドセルをベースに、内装やフチ色、革の種類やステッチなどをオーダーできるのが特徴という。

   同社は一時期、大量生産に踏み切り、業績も好調だったが、「手作りと革とセミオーダー」にこだわり撤退した。手づくりのランドセルのみを製造する工房へと衣替え。現在はセミオーダーが8割を占める。

   専務の長井宏治氏は、「ランドセルに対する親のこだわりに、職人のこだわりでこたえる」と、胸を張る。

   その姿勢と技術が支持され、また評判が評判を呼んで、売り上げは右肩上がり。ランドセル商戦の前倒し傾向についても、「職人が早い段階から仕事ができる」と、仕事が平準化できるメリットが見込めると歓迎する。

   ほとんどが受注生産なので、在庫をもたない強みもある。(水上守)

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