2024年 4月 20日 (土)

「左遷」はチャンス! 腐らない人が出世する(江上剛)

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「会社勤めも20年になります。先日、配属されたばかりの部署で、つい小言を言ったら、『この部署は掃き溜めだから、いいんだ』と反論され、それでふと、もしかしたら自分が左遷されたのではと思うようになり、やる気が失せました。半面、その部署の生ぬるさにもイライラします。どう仕事に向かえばいいのでしょうか」

   あなた、結構、勘が鋭い人なんですね。自分が左遷されたと気付くなんてなかなかです。

  • もしかして、左遷かも……
    もしかして、左遷かも……
  • もしかして、左遷かも……

サラリーマンに左遷は付きもの

   人事に「左遷なし」と言いますが、実際は、左遷はありますね。サラリーマンに左遷は付きものです。

   しかし、それを左遷にするか、飛躍にするかはあなた次第です。

   私の知り合いの新聞記者は、上司に逆らって海外に飛ばされました。

   私は、彼が左遷されたと知っていましたから、慰めの送別会を開きました。しかし、彼は左遷と気付いていません。喜んで海外に赴任していきました。

   そして、その地で豊富な人脈を築き、ひとまわりもふたまわりも大きくなって帰国してきました。

   私は「あなたは左遷だったんだよ」と、帰国した彼に明かしましたが、彼は正直に「ええ、ほんと! 」と驚いていました。しかも、「お陰で楽しく勉強させてもらったよ」と、大喜びしていたのです。

   ある大物財界人も、やはり海外に左遷されたことがありました。それも何年も塩漬けです。ところがある日、そこに会社のオーナーがやってきました。彼は、その国のいろいろな情報を忌憚なくオーナーに説明し、国中を案内しました。オーナーは、「彼は人物だ」と認識を改め、役員に抜擢しました。左遷されたお陰でオーナーと親しくするチャンスに恵まれたのです。

   こんな例はいくらでもあります。

   出世した人で左遷されていない人はいないんじゃないでしょうか。誰もが、左遷を生かして成功したのです。

「人生、至るところに青山あり」

   左遷されたらこそ、今まで見えなかった会社の良いところ、悪いところが見える。また今まで会えなかった社内、社外の人材と出会うことができる。また仕事を減らされたお陰で時間が余り、本を読んだり、講演を聞いたりして知識、教養を養うことができる。

   左遷こそ、サラリーマン人生の充電のチャンスではないでしょうか。

   腐ってイライラしているだけなら、あなたも腐ってしまいます。

   今まで順調すぎたのです。そのことに感謝して、次の飛躍のための準備をしましょう。 人生、至るところに青山あり、ですよ。

   そうそう、左遷されていたお陰で会社の不祥事に巻き込まれなかった人も知っています。

   不祥事を引き起こした幹部たちが責任を取って退任したので、彼が無関係だったというだけで、また不祥事の中心だったトップに逆らっていたというだけで、トントン拍子に出世して、社長になってしまいました。

   人生って面白いですね。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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