2024年 4月 23日 (火)

社内営業にやっかみはつきもの 弱みをみせる手もある(高城幸司)

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   社内営業の目的とは、「自分の仕事の成果を大きくして、望むキャリアを手に入れること」にあります。

   その手段は、「会社の上司、同僚、後輩を味方につけ、目的が達成できるよう協力してもらう」ことです。

  • ど、どうしようっ! なんてこともあっていい……
    ど、どうしようっ! なんてこともあっていい……
  • ど、どうしようっ! なんてこともあっていい……

「プラス」の印象を「マイナス」で相殺する

   つまり、社内営業を簡単に言うと「会社を味方につける」ことです。

   たとえば、上司や同僚が、

・次々と放って仕事に役立つ有益な情報を教えてくれたり有力者を紹介してくれたりする。
・業務命令ではない仕事でも協力してくれる。
・魅力的なポストに、自分のことを推薦してくれたり、抜擢してくれたりする。

   こうした社内営業がうまい人は、仕事で大きな成果を出せるようになり、結果的にやりたい仕事や着きたいポジションを手に入れることができるようになります。

   しかし、光あるところに影ありで、あなたが出世するほど、それが誰かの嫉妬心をかき立てる可能性もあります。

   職場には他人の活躍を素直に認められない人は残念ながら一定数存在するもの。

「なぜアイツが課長に昇進できたのだ」
 「なぜあいつがプロジェクトリーダーに抜擢されたのだ」

   ある意味「有名税」としてこうした嫉妬は覚悟しなくてはなりませんが、できればそうした嫉妬は、これから社内で仕事をするうえで、実務面や精神衛生面から考えて、少しでも減らしたいもの。

   では、どうすればいいか――。仕事の成果や出世という「プラス」を、なかったことにすることはできません。であれば、「プラス」を打ち消す「マイナス」を取り込んでみるのです。

   もちろん、本当にプラスマイナスでゼロやゼロ以下になるような「マイナス」ではありません。「あいつも大変だな」と思わせる程度の、「見栄えのよいマイナス」を取り込むことで、「プラス」の印象を相殺するのです。では、具体的にどうすればいいのでしょう。

さりげない「不幸オーラ」に人は吸い寄せられる

   たとえば、相応の仕事を任されたとします。その際に、誰もがやりたがらない面倒くさい仕事を、セットで引き受けるのです。

   取材したSさんは社内で注目度の高い部門を任されたときに、気が重くなるような労働問題関連の仕事を自ら手を挙げたようです。弁護士と一緒に調査したり、社員の話を聞いたり。目先の成果には結びつかない仕事ですが、誰もやりたがらない面倒な仕事を率先してやったことで、周囲のやっかみの矛先が明らかに少なかったとのこと。

   もう少しお手軽なところでは、本来は若手が担うような宴会の幹事などを、あえて引き受けるのもいいかもしれません。要は、魅力的な仕事やポジションを「いいとこ取りで手に入れた」と思わせないように、人が「やりたくないな」と思う地味で地道で損な役回りを少し引き受けていれば、そのイメージが強く印象づけられて「アイツって高い評価を得ているけど、あんな仕事をやらされてかわいそうだよね」「プロジェクトに抜擢されたけど、あんまりうらやましくないよね」というふうに見られる。

   そこまでいかなくても、「あそこまで下働きするなら文句は言えないな」と、嫉妬の火力を弱めることには成功するでしょう。

   自分の不幸な一面をアピールすることで、嫉妬の矛先を向けられないようにするのも効果的。仕事も絶好調、家庭も円満、子どもも順調に育ち、順風満帆だったとしても、「いや、実は大変なんですよ」という「トホホポイント」を、それとなく流布させるのです。

   よくあるのが「恐妻家キャラ」です。本当は仲のいい夫婦だったとしても、奥さまが厳しくて頭が上がらないキャラクターという風に自分を設定しておけば、世の男性たちの同情を買います。あるいは、

「あの人、新築の家を買ったけど、途端に物件価格が下がったみたいよ」
 「部長になって給料が増えたのに、お子さんにお金がかかるとかで、お小遣い制のままでたいした金額をもらっていないみたい」

   幸せそうに見えても、羨ましいと思えないからです。

   そして「トホホポイント」は、できれば自分の口からではなく、周囲から通じて広めていく。そのほうが、信憑性が高まります。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
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