遠くて近くて日本とタイ 「感情的な一体感」でうまくやれる(森山たつを)

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   東南アジアから日本に帰ってくるといつも思うのが、「服が暗いなあ」ということです。

   特に、夕方の山手線に乗っていると、黒やダークグレーの会社員ばかり。色とりどり、思い思いの賑やかな色々の服を着ている東南アジアとは隔世の感を感じます。

  • プミポン国王が亡くなり、タイは悲しみにくれる
    プミポン国王が亡くなり、タイは悲しみにくれる

2017年は黒一色 喪に服すバンコク

   しかし、2017年、東京以上に黒い街があります。

   タイの首都バンコクです。2016年10月にプミポン国王が亡くなり、それから1年、タイは「喪中」となっています。

   市民の服装はモノトーンとなり、企業のWebページまでもが白黒になりました(私の所にも、Webページを白黒に変換するサービスの広告がきました)。

   崩御から半年以上がたった、2017年6月現在、バンコクはどんな様子なのでしょうか?

   現地に在住するパソナタイランドの河野壮典さんにお話を聞いてみました。

「国王死去に伴い高価格品の売れ行きが悪いという話はよく聞きます。クルマの売れ行きもよくないようですがそれはその影響とばかりは言えないようです」

   日本でも東日本大震災以降に「自粛」ムードになり、ディズニーランドがガラガラになったり、外食を控える人が大勢でたり、クルマや家などの買い控えが起きたりしました。それにより、経済が大きく停滞したことは記憶に新しいです。

   タイでも同じようなマインドになっているあたり、日本人とマインドが似ているな、と思わされます。

   自動車に関しては、経済予測ではほぼ横ばいです。しかし、本来であれば政府の政策によって自動車の買い換えが大量に起こるタイミングにもかかわらず、横ばいになっているということで、自体の深刻さがうかがえます。

「あと国王の崩御に関する影響については、今年の10月26日に火葬が行われますが、その週1週間は役所が休みになり経済がSTOPしそうです。民間は(10月)23日と26日は休みになるようですが、その週は仕事にならないかもしれません。」

   死去1年後の2017年10月26日までが「喪中」であり、それまで役所は喪服です。

   旅行者も黒い服を着たほうがいいと言われており、タイに行く人は注意して下さい。特に赤や黄色は、デモ参加者がまとうカラーであり、多くのタイ人に嫌われがちなので避けたほうがよいとのことです。

昭和天皇崩御のとき、日本も国全体が喪中に......

   日本でも、昭和天皇が崩御されたとき、数日間は国全体が喪中となり、あらゆる業務がストップしました。タイやカンボジアなど、国王が国民の「象徴」となっているような国は、日本と同様に国中が悲しみを噛みしめる期間を設けるのです。

   東南アジアは、欧米と比べて日本人が進出しやすい国と言われています。時間を守ることや家族よりも仕事を大事にすることなどは、東南アジアの人々と日本人は正反対の性格をしています。

   しかし、このようにしっかりと喪に服す。その間は経済が停滞するといった様子は、非常に近いものがあります。

   こういう、感情的な面で一体感があるところが、東南アジア進出した日本人が「この人たちとはうまくやっていけそうだ」と思うポイントなのかもしれません。

(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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