誰がつくった「ビットコイン」 分裂騒動でわかった管理者の存在

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   仮想通貨の代表格である「ビットコイン」の分裂騒動がメディアなどに取り上げられ、話題となっている。

   なにやら、「ビットコイン=仮想通貨」のようにもなっているが、そもそも仮想通貨は、2017年8月3日現在で836種類も発行されており、その取引所は4864か所もあるのだ。

  • 仮想通貨は「ビットコイン」だけじゃない!
    仮想通貨は「ビットコイン」だけじゃない!

ビットコインは「自由」ではなかった!

   仮想通貨には、ビットコインのように特定の発行者がいないものと、「リップル」のように発行者がはっきりしているものがある。一般的には、仮想通貨の取引所で売買され、購入者はウォレットと呼ばれるアプリケーションで管理する。

   仮想通貨は、取引の安全性と決済スピードが速いことが特徴。当初は決済手段として発達したが、最近では現物商品の購入も可能になるなど、その範疇を拡大してきている。

   メガバンクを中心にさまざまな業界が、「仮想通貨に使われているブロックチェーン(分散台帳)などの技術は、今後の金融技術として研究に値する」(メガバンク幹部)というように、仮想通貨の研究はまさにホットなテーマなのだ。

   今回のビットコインの分裂騒動は、急速な取引量の拡大で決済スピードが低下したことがきっかけ。その対応策について、関係者間で意見対立が起きた結果、ビットコインから分裂して「ビットコイン・キャッシュ」という新たな仮想通貨が誕生したというのが大筋。

   じつは、このビットコインの分裂騒動で明らかになったことがある。これまでビットコインには、特定の発行者がいないという解釈が一般的だった。つまり、ビットコインは「無」から誕生しており、「規制のない自由な通貨」がうたい文句だったわけだ。

   しかし、実際には分裂騒動で、ビットコインには中心的な管理者がいることが明らかになった。

   つまり、「自由」が売り物だったはずのビットコインは、中心的な管理者によって、ビットコインの流通量やその方向性などが決められていたというわけ。そこには、「通貨発行益」の問題も露呈する。

   ビットコインが発行されるたびに、その発行益を管理者などが享受している可能性は高い。

仮想通貨「賞味期限」にご注意を......

   ビットコインには、中央銀行のような準備金もなければ、発行者に対する信頼性も乏しい。それでも、将来性や汎用性、あるいは投資目的としてビットコインには現物通貨が集まり、その価格が上昇する(もちろん下落することもある)。実際には、その多くは決済性や利便性を目的にビッドコインを購入するのではなく、投資目的として購入されているケースのほうが、はるかに多い。

   だが、いくらビッドコインが汎用性を高め、現物商品の売買にも利用できるようになろうと、「ビッドコイン=仮想通貨」は法定通貨ではない。そこには、通貨としての機能に対する何の保証もないのだ。

   法定通貨ですら、ハイパーインフレなどの経済状況によっては、その価値が減価するとか、使えなくなるといったことすら起き得る。しっかりとした基盤を持たない仮想通貨では、いつ、どのような事態が発生してもおかしくはない。

   高額紙幣(日本では1万円札)の廃止を主張して、話題となった経済学者のケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授は、その著書「現金の呪い(原題はCURSE OF CASH)」の中で、仮想通貨について、国家が通貨発行益を手放すことはなく、仮想通貨についても、いずれは国家がコントロールすることになるだろうとの主旨の予測を述べている。

   836種類もある仮想通貨の、それぞれの「賞味期限」が長期間に及ぶとは限らない。投資はくれぐれも慎重に。(鷲尾香一)

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