【衆院選2017 為替相場を占う】どんな決着でも、円安フィニッシュ!? 岡三オンライン証券 武部力也・投資情報部長に聞く

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   安倍晋三首相による約5年間に及ぶ政権運営の是非を問う、衆院選の火ぶたが切られて1週間。政権与党の「自公」と「希望・維新」、「立憲・共産・社民」の3極が、消費増税や憲法改正、原発、森友・加計問題を争点に論戦が交わされ、その一挙一動にマーケットが揺れる。今回の衆院選が外国為替市場に、どのような影響を及ぼすのか――。

   岡三オンライン証券の投資情報部長、武部力也氏に為替相場の見通しを聞いた。

  • 打ち出せるか!?「コイケノミクス」(写真は、岡三オンライン証券の武部力也氏)
    打ち出せるか!?「コイケノミクス」(写真は、岡三オンライン証券の武部力也氏)

どこが政権をとってもアベノミクスは継続

   ―― アベノミクスから約5年。過去、総選挙のときに為替相場はどのように動いたのでしょうか。

武部力也氏「今回の総選挙は、アベノミクスがスタートして、2012年12月の政権交代選挙、2014年12月の『アベノミクス選挙』に続く3度目となります。過去2回の総選挙におけるドル円相場の推移を見てみますと、いずれも円安方向へ動いています。
(1)2012年12月の野田佳彦首相(民主党政権)のとき
衆院解散を表明した11月14日のドル円相場の終値は1ドル80.25円 → 投開票日の12月16日のドル円の終値は83.88円で、3.63円の円安になりました。
(2)2014年12月の第2次安倍晋三内閣のとき
衆院解散を表明した11月18日のドル円相場の終値は1ドル116.88円 → 投開票日の12月14日のドル円の終値は117.90円で、1.02円の円安になりました。
そして今回、2017年9月25日に安倍首相が『国難突破』解散を表明した際のドル円相場の終値は1ドル111.74円でした。10月6日(取材時点)のドル円は112円台後半となっており、解散表明時からすでに円安方向に動いているようです。

   ―― いまのアベノミクスの「円安・株高」をどのように見ていますか。

武部氏「直近の国内経済に目を向けると、日本銀行が10月2日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数が大企業製造業でプラス22という結果でした。前回の6月調査から5ポイント上昇し、四半期連続の改善、10年ぶりの高水準です。調査期間中には、北朝鮮によるミサイルの発射実験など不穏なニュースもありましたが、大企業は経済情勢を極めて冷静に判断しているといえます。
アベノミクスが効果を出し続けている現状、大企業は与党の政策に不満はないでしょう。今回の選挙で与党が信認を得れば、安倍首相の任期延長とともに2018年4月が任期満了となる黒田東彦日銀総裁の続投の可能性も高まり、アベノミクスの長期継続、再強化という展開になるはずです。そうなれば、円安・株高トレンドも継続することでしょう」

サプライズは「コイケノミクス」で円安加速!

   ―― 衆院選での「サプライズ」はありませんか?

武部氏「仮に自民党が惨敗した場合、為替は一時円高、株式も値下がりに動くかもしれませんが、現在日銀の正副総裁ほか審議委員6名はすべて安倍政権下で任命された、いわゆる『安倍チルドレン』です。どこが政権をとっても、当面の経済政策は今までと同じ人間が担当するわけですから、マーケットへの影響はそれほど大きくはないのかもしれません。
サプライズとしては、小池百合子代表の希望の党が、民進党を飲み込んだ如く、アベノミクスをオマージュして、それ以上の金融規制緩和を示す『コイケノミクス』を打ち出せれば、円売りの余地はさらに強まる可能性があります」

   ―― FXトレーダーが「選挙相場」で注意すべきことを教えてください。

武部氏「政治の世界は『一寸先は闇』と言われていますが、為替の世界も同じです。10月20日のマーケットの終値と、投開票後10月23日のマーケットの始値のギャップにくれぐれもご注意を。
選挙期間中はポジションが偏り過ぎないように、リスク管理の徹底を心がけてください」

プロフィール
武部 力也(たけべ りきや)
岡三オンライン証券 投資情報部長兼シニアストラテジスト
1989年日本大学法学部卒業・東京短資入社。短資会社、証券会社を経て2009年に岡三証券入社。東京金融取引所 為替・株価指数証拠金市場運営委員会委員、東洋大学社会人基礎力特別講師。金融系マーケットメディア、新聞、経済誌などでレポートを執筆。著書に「勝ち残りFX」(扶桑社)がある。


(編集企画)

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