2018年 10月 22日 (月)

「産休トラブル考」(前編) 負担をかける同僚へのひと言「文句や愚痴は上司に言って」が大炎上

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   働く女性にとって気持ちよく産休・育休が取れるかは、上司や同僚の手厚いサポートがカギになるが、トラブルが絶えないようで、ツイッターなどでよく話題になる。

   産休を取る時、職場の同僚に「皆さんの負担が増えるけど、文句や愚痴は上司に言って」と言い残したら、上司が病気になって辞めてしまったというツイートが論議を呼んでいる。「言い過ぎ」という反発と、「よく言った」という喝采で......

  • 気持ちよく産休を取れるようにするには
    気持ちよく産休を取れるようにするには

4日間で3万件超のリツイート 賛否両論、真っ二つ

   話題になっているのは、2017年10月31日のツイートされた「ヒスタ」さんの次のような投稿だ。

「産休に入るとき、『私が休むと皆さんの負担が増えますが、恨むべきは私ではなく、私が休みに入るとわかっていながら人員を増やさなかった会社や上司なので、どうぞ文句や愚痴は上司にじゃんじゃん伝えてください』って言ったんだ。そしたら産休入って3か月しないうちに上司が病んで辞めちゃった」

   11月3日までの4日間で、リツイートが3万3260件、「いいね」が4万1569件に達した。反応は、「まったくの正論」という共感派と、「上司が可哀そう」という反感派に真っ二つに分かれた。

   共感派の声を紹介すると――。

「上司というか経営陣の問題だな。人が離脱しても大丈夫なように人員計画作らないといけないし、産休は猶予があるわけだから放置していた経営陣が悪い」
「私は経営側ですが、この意見は正しいです。社員の苦しみや生き血の上でしか、経営できない会社は畳むべき」
「あなたは悪くないです。悪いのは人員を増やさなかった上司なのだから、自業自得」
「上司は板ばさみになろうとしたりせずに、さらに上にジャンジャン文句を言うべきであった。ヒスタさんが自衛しなければ、それだけの文句や愚痴はヒスタさんに向かったのだから」

   一方、反感も――。

「恨むべきは上司ではなく、上司の上司だぞ」
「私は、人事権のない上司にあたる役職にいます。こんなこと言われたら泣く。辞める」
「ブラック、ブラック言うけど、『産休です』と言われて『ハイそうですか』とすぐに代わりの人を用意できる職場なんて、日本にそうそう無い気がしますけどね」

産休・育休で1~2年も休める日本に驚く米国女性

   さらには、こんな声も――。

「このツイート見て、『すごい、よく言ってやった』っていう気持ちより、悲しい気持ちが勝りました」

   このリツイートには、「(ネットメディアの問い合わせは)申し訳ありませんが、お断りします」としていたヒスタ自身がこうコメントを返した。

「そうですか。感じ方はそれぞれですから」

   J-CAST会社ウォッチ編集部では、この投稿について、何人かの働くママさんを取材した。

   40代・2児の母で、在宅勤務のAさんはこう語った。

「上司を悪者にしていますが、産休をとる人が悪い、いや会社が悪いっていう議論はまったく意味がないと思います。標的を作って叩くことでイライラ発散にはなるかもしれませんが。そもそも、産休はいいとして、日本は育休が長すぎる気がします。1年も休んだら、モチベーションも下がるし、戦力にすぐ戻るのは現実的には無理です。アメリカ人の友達(30代6歳のママ)と話したら、日本では産休・育休で1年も2年も休めることに驚いていました」
「彼女の周りでは、産後2か月3か月で仕事に復帰するのが普通です。もちろん、急に完全復帰ではないです。ベビーシッター、ヘルパーさん、会社内の保育園、自宅勤務、フレックスタイムなどをフル活用して、とにかく仕事は続ける。こうすることで現場の感覚を忘れないようにして、徐々にフル復帰するみたいです。日本ではまず考えられませんよね。そんなに活用できる手立てが揃っているなんて、働くママとしては心強いでしょう」

「お互い様の精神のない人がトラブルを大きくする」

   利用できる制度があまり充実していないとはいえ、日本のママは「休みすぎ」との意見は少なからずある。カギは「在宅勤務」にあるようで、50代・2児の団体職員管理職のBさんはこう語った。

「私の知り合いの女性経営者に、育休中に在宅で仕事させて、心置きなく子育てしながら、かつキャリア継続もできる制度を行なっている人がいます。育休を終えて職場復帰した後も、在宅勤務できる日を認めて、柔軟な働き方ができれば、辞めずに済む人も増えます」
「いい例なので、うちの職場でも在宅勤務を試行しようとしていますが、もし在宅勤務を認めると、在宅の人宛てにかかってくる電話を取って用件を取り次がなければいけないと、カバーさせられることを嫌がる人が結構いるのです。この人たちをどう説得するかが課題になっています。結局のところ、不寛容で、お互い様の精神のない人たちが産休・育休をめぐるトラブルを大きくしているようです」

   人員の補充など制度の充実が先か、「お互い様」の気持ちが先か、難しいところだ。

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