2020年 10月 25日 (日)

その42 動物園のパンダ 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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勝手に騒ぐ人間に「偽善」臭さ感じる

   加えて、最近の動物園は絶滅に瀕している動物の「種の保存・繁殖」に役立っているとの主張もある。たしかに、上野動物園はシャンシャンという新しい生命の誕生に一役を買っている。だが、種の保存・繁殖は本来の生息地の中でこそ行うべきであろう。

   そして、上野動物園や近くの商店街が何よりも期待しているのは、シャンシャンに引かれて入園者が増え、その人たちがカネを落としてくれることである。地元の百貨店では100万円の純金製誕生記念メダルがけっこう売れたそうだ。シャンシャンを歓迎しない手はないのである。

   そうかと言って、僕は何も「囚徒をすべて解放して、野生に戻すべきだ」とか「動物園をなくすべきだ」とかまで言い張るつもりはない。ただ、シャンシャンが囚徒であることを棚に上げて、「かわいい」「抱きしめたい」「上野の宝だ」などと人間が勝手に騒いでいる。そのことに「偽善」の臭いを強く感じるのである。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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