2020年 12月 5日 (土)

これは英断なのか? 日本郵政の「手当削除」は同一賃金同一労働の第一歩だ(城繁幸)

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   日本郵政が、正規雇用と非正規雇用の格差是正のため、正社員の手当の一部を削減するという件が話題になっている。

【参考】正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止

   「下に合わせて引き下げるのではなく上に合わせて引き上げろ」という声が多く寄せられる一方、「人件費は一定なのだから誰かを賃上げするために誰かの賃下げが不可欠だ」と擁護する意見も散見される。

   ちなみに、筆者はどちらの意見とも少し違う見方をしている。いい機会なのでまとめておこう。

  • 日本郵政が正社員の手当を一部削減する
    日本郵政が正社員の手当を一部削減する
  • 日本郵政が正社員の手当を一部削減する

給料は業務内容に応じて支払われるべき

   まず、全員の処遇を上に合わせて引き上げるというのは現実的には不可能だ。常に言っているように、人件費の総額は事業環境により決まってしまうので、法律で上下に動かす余地はほぼないためだ。

   そういう意味では、格差是正のためにどこかを削るしかないというのは正しいが、それは単純に賃下げすればいいというものでもない。

   「手当」というのは、本来は仕事の中身や成果とは全然関係ないもので、前世紀の労使協調路線の中で、生活給の一つとして生み出されたものだ。

   たとえば、会社の近くに住んでいる人より遠くからはるばる通ってくる人にわざわざ高い通勤手当を払う理由があるだろうか。住宅事情や家族構成なんてプライヴェートな部分で線引きし、一部の従業員にだけ住宅手当を支給する意義とはなんだろうか。

   筆者はすべての手当を廃止したうえで、各人が担当する業務内容に応じて給料として支給するのが筋だと考える。手当も含めた人件費というのは偉い人のポケットマネーなどではなく、突き詰めれば従業員自身が稼ぎ出しているのだから、それが最も合理的かつ公平だろう。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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