2018年 5月 21日 (月)

新入社員の意識に管理職は愕然! そのワケはこれだ?

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   「出世より定時帰宅が大切」「管理職より専門職を目指す」、そして「今の会社で働き続けたい」と考えている人は半数足らず――。今春の新入社員の意識調査で、こんな若者気質が浮き彫りになった。

   企業の人材育成・研修に特化したコンサルティング会社、トーマツイノベーションが2018年4月26日に発表した「2018年度 新入社員意識調査」で明らかになった。

  • 社会人として大きな一歩を踏み出した新入社員(写真はイメージ)
    社会人として大きな一歩を踏み出した新入社員(写真はイメージ)

「今の会社で働き続けたい」は半数

   調査ではまず、「今の会社で働き続けたいか」との問いに、「働き続けたい」と答えたのは約半数の53.8%だけ。「そのうち転職したい」と答えた人が約2割の16.7%もいた。 2015年の調査では、「働き続けたい」と答えた人は63.4%だったから、わずか3年で一気に10ポイント近くも減った。また、「そのうち転職したい」と答えた人も2015年には9.9%で、転職志向の割合も3年間で7ポイント近くアップしたことになる。

   それにしてもなぜ入社早々、次の会社や仕事のことを考える若者が劇的に増えているのだろうか――。J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じたトーマツイノベーション広報担当の平井裕介さんはこう語った。

   「最近の若者は、1社だけに『就社する』のではなく、企業を渡り歩く、あるいは自分で起業するという考え方が当たり前になっています。入社してみて自分に合わなければ、以前なら我慢するとか、人に相談しましたが、今はさっさと辞めて他を探します。背景には空前の売り手市場で、自分で会社を選びやすくなったことと、企業側が副業や兼業を認める傾向になったため、1社だけに勤め続けるという考えがどんどん薄くなったことがあげられます」

「専門家はカッコいい」「スキルを持つと転職にも有利」

   このドライで柔軟な考え方は、将来のキャリア志向についても表れている。

   「将来、会社でどのような役割を担いたいか」との問いには、「専門性を極め、プロフェッショナルの道を進みたい(専門家)」が33.4%で、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行ないたい(管理職)」(24.8%)を大きく引き離した。

   専門家になりたい人が管理職を希望する人を上回り、トップである傾向は、調査を始めた2014年からずっと続いている。これも、平井さんによると「新入社員にとって、専門家のほうが管理職よりカッコよく見えることもありますが、専門家としてスキルを持っていれば、他でも働くことができ、食いっぱぐれないという考えが強いのです。その会社で管理職として上り詰めても、他の会社に行けば通用しませんからね」という。

   おもしろいのは、専門家にしろ、管理職にしろ、将来のキャリア志向をはっきり決めている人は、新入社員の時からよく勉強していることだ。

   「社会人としてスキルアップするために取り組んでいること」(複数回答)を聞くと、1位が「人脈を通じで先輩などから学ぶ」、2位が「スマートフォンやPC上の学習アプリを使って勉強する」、3位が「ビジネス本を読む」だが、それぞれ実践している人の割合は、将来何を目指すか決めている人が、「わからない」と答えた人より1.4~1.9倍も高かった。

   また、入社後の働き方について聞くと、男女とも「定時に帰りたい」と答えた人がトップ。調査開始以来ずっと1位だった「週に2~3回までの残業なら」を初めて追い越した。「定時に帰りたい」人は、2014年は27.4%だったが、18年には42.0%に。4年でじつに15ポイント近くも増えたことになる。

   ちなみに、一番少ないのが「毎日残業でもかまわない」という「昭和のモーレツ社員タイプ」で、わずか6.0%だった。

子どもが生まれたら家庭優先の「イクメン」がトップ

   さらに、「結婚後、子どもが生まれ時は仕事とどう向き合うか」を聞いたところ、男性では初めて、「それまでより残業や休日出勤を減らしたい」(41.8%)がトップになった。「そのまま働きたい」は40.7%の2位。仕事より家族を優先させたいという「イクメン」の考え方が、多数を占めるようになったのだ。

   こうした傾向について、平井さんはこう説明する。

   「『定時に帰る』という考え方は、企業側も働き方改革で残業を少なくする方向を打ち出していますから、若者にとっては当然のことだし、企業側にとってもありがたいことのはずです。ただ問題なのは、仕事を途中で放棄して帰ってしまうこと。いかに新入社員の生産性を高めて、早めに仕事を終わらせて定時に帰らせるか、会社の指導力が問われています」

   それにしても、「辞めてもいい」と開き直り、残業はイヤ、「定時に帰りたい」といった新入社員を、教育・指導しなければならない管理職も大変である。 いったい、管理職はどうすればいのだろう。平井さんは、「それもあって、管理職の方々の研修が必要なのです。いまの新入社員と管理職世代とは、もう考え方が違いすぎるのです。そのギャップを埋めなければなりません。当社が6月に実施する管理職向けの新入社員指導方法の研修は、4月に調べた、その年の新入社員の傾向を分析した結果を反映しています」と話す。

   なるほど! いまの新入社員は管理職が苦労していることを、すでに察しているようで、意外に抜け目ないといえそうだ。

   なお、調査は4月3日~16日に、トーマツイノベーションが東京、横浜、名古屋、大阪の4か所で開催した契約会社の新入社員研修を受講した男女4863人を対象に、アンケート形式で実施した。

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