2022年 7月 2日 (土)

のるかそるか!? 400万円をかけた保険営業マンとの戦い(北条かや)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

営業マンの饒舌トークには乗るまいぞ!

   もちろん、自分に必要な老後資金を考えると、こんな年金保険に入ったくらいで安心するわけにはいかない。しかし、私がつくづく「契約してよかったなあ」と思うのは、お金に関する知識がついたことだ。

   契約するまでに、多くの終身保険や投資商品を比較検討したのが非常によかったのである。

   ケチなうえに、これまでに一度、他人に200万以上を投資して返ってこなかったという大失敗をしている私だ。保険会社の口車に乗せられ、ホイホイと契約するような気前のよさはない。

   こんなドケチが石橋を叩いて渡るのだから、営業マンはそうとう面倒くさかったと思う。「あなたには、このプランがいいですよ」と言われても、数か月は検討する。ケチのプライドにかけて、そうやすやすと判を押すわけにはいかないのだ。

   営業マンが「今日こそは契約を取るぞ」と訪ねて来てくれても、

「うーん...... この『年金+医療保険プラン』って、51歳で満期ですよね。51歳までに多額の医療費がかかるリスクは低いから公的な医療保険で十分だし、余計な保険プランはつけないでいいです。独身なので、もちろん生命保険プランもいりません」
「なるほど、おっしゃる通りです。では......」

と、営業マンも諦めない。

「ドル建ての終身保険はいかがでしょう。リスクは高いですが、10~15年の長期運用ができていいですよ。300万円運用すれば、数年ごとに1.5万円受け取れます」

と、別の商品を勧めてくる。

   私はまた、持ち帰って検討する。そして1か月後、

「いろいろ調べましたが、手数料もかなり高いし、そもそも今は円高なので買い時ではないですよね?」

と問うてみると、営業マンはにわかに渋い表情になり、

「そうですね......正直言って買い時ではないです」

   一気に消極的になるではないか。

   ならば、最初からそう言ってくれればいいのにと思ったが、彼らも売らなきゃ商売にならないので仕方ない。

   いろいろとあったが、結局は無難でリターンの少ない個人年金保険に加入した。美辞麗句に踊らされず、リターンを求めすぎないでよかったと思う。なにより、これまで資産形成といえば貯蓄くらいしか思いつかなかった自分が、少しは金融商品に詳しくなったこと自体が「リターン」だ。今後は少しずつ株式投資もはじめてみようかと思っている。安心な老後への道のりは遠い。(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
コメント欄は2022年8月23日から、システムを移行します。詳しくはお知らせをご確認ください。
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中