2018年 6月 19日 (火)

ウイリアム王子は喜んだ?「ハゲ特効薬」発見に英国紳士の意外なリアクション(井津川倫子)

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   著名なコンサルタントから、「日本人の3大コンプレックスは、ハゲ、デブ、英語。この3つはビジネスになる」と教わりました。すなわち、コンプレックス解消を手助けする「増毛」「ダイエット」「英語教育」は儲かる、というのです。

   「ふ~ん、そんなものかしら」と思っていたら、「ハゲ治療に光明が!」という記事を見つけました。英国の研究者がハゲ治療の特効薬を発見して話題になっているとのこと。どうやらコンプレックスがビジネスになるのは、日本だけではなさそうです。

  • 英国紳士も注目する「ハゲ特効薬」の発見!?
    英国紳士も注目する「ハゲ特効薬」の発見!?

英国人は、「友情よりもお金よりも、髪の毛が欲しい!」

   2018年5月、英マンチェスター大学の研究チームが、骨粗しょう症の治療目的に開発された薬が「薄毛に効く可能性がある」と科学誌に発表、話題を呼んでいます。

   A potential new cure for baldness has been discovered,

   (薄毛に効く可能性がある新しい治療が発見された)

   ・potential:~可能性がある

   ・cure for:~の治療

   ・baldness:薄毛

   ・discover:発見する

   この治療法が人間にも有効で安全であることを確かめるためには、臨床試験が必要とのことですが、もし有効であれば、これまでの常識を塗り替えるインパクトがあると報じています。

   比較的安価での治療が可能になることから、多くの薄毛に悩む人たちが救われるというのです。もしかしたら、保険治療の範囲内で「薄毛治療」ができるかもしれないとか。そうであれば、この画期的な発見を応援したいところです。

   ところが、この「画期的な発見」に危機感を募らせているのが「薄毛ビジネス」業界です。日本に限らず「薄毛コンプレックス」はビジネスになるようで、英国でも数千億ドル規模の巨大産業だそうです。安くて効果的な治療薬の発見は、高額な薄毛ビジネスに大きな打撃を与えるからでしょう。

   ではなぜ、「薄毛コンプレックス」はビジネスになるのでしょうか――。ニュースでは、英国ジェントルマンの切実な想いを反映した調査結果が紹介されていました。

   Survey in England suggested two thirds of hair loss sufferers would rather more hair than money or friends.

   (英国の調査によると、薄毛に悩む人の3分の2は、お金や友達よりも髪の毛が欲しいと思っている)

   ・survey:調査

   ・sufferer:受難者、苦しむ人

   なるほど、コンプレックスを解消するためにはお金を惜しまないというのは、万国共通な「人間の心理」のようです。

   とりわけ、「薄毛」は自尊心や自信を失うなど感情的なダメージを伴うといいます。「薄毛」に悩む英国ジェントルマンのホンネを拾ってみると...。

   I used to be more confident when I had hair.

   (髪の毛があった時は、もっと自分に自信があった)

   Given the chance, I'd definitely love to have hair again.

   (チャンスがあるなら、もう一度髪の毛が欲しい)

   I like that I'm not having to worry about washing it in the mornings.

   (朝、髪の毛を洗う時に、抜け毛を心配しないようになりたい)

   ふだんはあまり感情を表に出さない英国紳士たちですが、悩みは一緒。何だか、親近感がわいてきませんか?

薄毛界の新ヒーローはウイリアム王子!

   薄毛に悩む英国紳士たち。さぞかし、「治療薬発見」のニュースに沸き立っているのかと思いきや、意外にも慎重な反応が目立ちました。

   これまで何度も「新治療法発見!」のニュースに踊らされてきたので、「もうだまされないぞ!」という防衛本能が働いているのでしょうか。専門家たちのクールな反応をご紹介します。

   I don't think it can be happen in the short time

   (すぐに治療法が見つかるとは思わないね)

   Don't rush in.

   (あわてるな!)

   Wait and see.

   (様子を見よう)

   そんな中、「薄毛」に悩む人たちから「新しいヒーロー」と称賛されている人がいます。英国のウイリアム王子です。

   以前から「薄毛」が目立っていたウイリアム王子ですが、2018年1月、思い切って頭髪をすべて剃ったスキンヘッド姿で公務に現れました。王子のスキンヘッド姿は瞬く間に世界中に拡散され、SNS上で話題になりました。好意的に受けとめられているようです。

   He looks "a million times better" with his bald look.

   (スキンヘッド姿のほうが、100万倍ステキに見える!)

   「似合う」「似合わない」といった見た目もさることながら、王室の一員が「いさぎよく薄毛を認めた」ことが、薄毛に悩む人たちの共感を得たようです。

   ウイリアム王子には、さっそく新しい称号が与えられました。

   Prince William the Bald(ウイリアム薄毛王子)

   ちなみに、歴史の教科書に出てくる歴代の英国王のニックネームはこんな感じです。

   King William of orange(ウイリアムオレンジ王)

   King Richard the lionheart(リチャード獅子王)

   ウイリアム王子が王位を継承した後は、King William the Bald(ウイリアム薄毛王)として後世に名を残すのでしょうか。さすがにちょっと複雑な気分です。

ビジネスでよく使う「cure for」

   では、ここで「今週のニュースな英語」です。

   今週は「治療」や「処方箋」、「課題解決」といった意味の単語を学びましょう。課題解決はビジネスの「肝」ですから、ビジネスの場面でよく使う表現です。

   まずは、「cure for」です。前置詞の「for」とセットで覚えましょう。

   We must find a cure for rising prices

   (物価高への対策を見つけなくてはいけない)

   This could be a cure for bad loans.

   (これは、不良債権の解決策になりうる)

   「remedy(治療法)」という単語もよく使います。

   remedy a situation(事態を収拾する)

   remedy an economic downturn(景気の停滞を改善する)

   remedy for the recession(不況の改善策)

   あと、ぜひ覚えておいていただきたいのが「wait and see」(様子を見よう)です。これは、いろんな場面で使える便利な表現です。

   「ちょっと様子を見てみようよ」というニュアンスで、ポジティブな場面だけでなく「お手並み拝見させてもらうよ」と皮肉たっぷりな意味にも使えます。

   さてさて、話題の「薄毛治療薬」。もし、特効薬が発見されても、ウイリアム王子は「薄毛」を貫くのでしょうか?

   しばらくは「wait and see」と、研究成果を見守ることにしましょう。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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