2018年 10月 18日 (木)

わずか8%の女性社長 でも、超意外なアノ県に多いナゾ?

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   選挙の男女の候補数をできる限り均等にすることを政党に求める女性候補推進法が2018年5月16日に成立した。遅まきながら政界では女性の進出を促す第一歩がスタートしたが、経済界では女性の進出の動きはどうだろうか。

   帝国データバンクは5月22日、女性が社長の企業の割合を集計・分析した調査を発表したが、4月末の時点で7.8%の低い水準で、30年前に比べて、わずか3.6ポイントしか増えていない。

   しかし、都道府県別に女性社長が多いところを調べると、意外な県が上位を占めていた。それらの県とは......

  • 経営なら女性に任せて(写真はイメージ)
    経営なら女性に任せて(写真はイメージ)

親や夫からの事業承継が半数

   帝国データバンクの調査によると、女性社長の比率は、30年前の1988年が4.2%、20年前の1998年が5.5%、10年前の2008年が6.3%と、少しずつ増えてはいるもののまだ1割以下。2018年も7.8%だった。

   女性社長は、一般に「大手企業」といわれる年商100億円以上の企業はわずか1.3%で、大半が年商10億円以下の中小・小規模企業だ。

   どのようにして社長になったか、その就任経緯を調べると、会社を起業した「創業者」が35.6%、夫や親から会社を継いだ「同族承継」が50.4%、キャリアを積んで社長まで昇り詰めた「内部昇格」が8.3%、本社の幹部から関連企業のトップに天下りする「出向」が0.4%だった。

   一方、男性社長では、「創業者」が41.4%、「内部昇格」と「出向」を合わせて14.5%で、ともに女性を上回るが、「同族承継」が34.7%と女性の7割以下だった。

   つまり、女性が社長になるケースは親や夫の後を継ぐケースが多く、自分で起業したり、実力を発揮して出世したりするケースが少ないのだ。

   J‐CASTニュースの取材に応じた、調査を担当した帝国データバンクの加藤達朗さんはこう説明する。

「女性活躍社会がいわれていますが、現実には前社長の高齢化や後継者難のために、親や夫から経営を引き継いで社長になる女性が多いのです。また、企業の中で女性の管理職はまだまだ少数です。この管理職層に女性が増えると、社長に昇り詰めたり、グループ企業の社長になったりする人が増えるでしょう。まずは、女性管理職を増やすことが課題です」

女性社長の多い県、 1位と2位は南北に分かれて......

   おもしろいのが女性社長の多い都道府県別ランキングだ。本社所在地でみると、最も多かったのが、なんと青森県で10.6%。2位は沖縄県の10.4%、3位が徳島県の10.4%だった。4位が佐賀県の10.0%、5位は奈良県の9.5%。

   以下、高知県の9.5%、福岡県9.1%、大分県9.1%、香川県は8.9%、岡山県の8.9%と続いた。1位の青森県を除くと、九州や四国、中国、近畿の西日本に多い傾向がみられる。

   一方、下位のワースト10をみると、最も低かったのが岐阜県で5.2%。2位が長野県の5.8%、3位が滋賀県の5.9%だった。

   以下、愛知県の6.0%、静岡県6.2%、新潟県6.3%、石川県6.4%、埼玉県7.0%、山形県7.0%、福島県7.1%という結果になった。

   こちらは中部や北陸、関東と東日本ばかりだ。見事に西高東低の傾向が表れたが、これはどういうことだろうか――。

   加藤さんは「西日本のほうは女性が強く、東日本のほうが弱いという県民性の違いでもあるのでしょうか。正直言ってわかりません。ただ、女性社長1位の青森県と2位の沖縄県は説明がつきます」という。

   青森県は夫婦や家族だけで営むファミリー企業が圧倒的に多い。現在、高齢化が進み、後継者難が深刻になっている。ところが「跡取り息子」が上京して働き、後を継ごうとせず、妻や娘が後を継ぐケースが増えているという。「ローカル色の強い県に女性社長が多いのは、農業の後継者難の問題と通じるところがあるとみられます」と加藤さん。では、沖縄県はどうか。加藤さんはこう説明した。

「沖縄の場合は、ほかの県と違って、歴史的に50年~100年以上事業を続けている『老舗企業』が非常に少ないという特徴があります。老舗企業は代々、息子がいなければ娘が婿をとるといったように、男性が後を継ぐ伝統があります。老舗企業が少ない分、沖縄は女性社長が多いと考えられます」

子育て、福祉、化粧品 女性らしい分野で多く

   帝国データバンクでは2017年8月、女性社長は男性社長より、女性を管理職に登用する割合が高いという調査も出している。また、米テキサス大学の2017年6月の研究では「経営陣に女性の数が多い企業ほど、業績がよい」という結果がある。

   社長が先か、管理職が先か、とにかく女性が会社の中でどんどん昇格すれば、日本経済が元気になることは間違いない。

   ちなみに、女性社長の割合が高い業種をみると、いかにも女性らしい分野が多いことがわかる。「保育所」(43.2%)や「化粧品小売り」(36.4%)、「美容業」(33.7%)がトップ3を占め、続いて料理教室や習いごとなどの「各種学校」(31.6%)。また、「老人保健施設」(30.9%)や「老人福祉事業」(29.8%)、「身体障害者福祉事業」(27.0%)、「知的障害者福祉事業」(25.6%)などの社会福祉関係が目立つ。「結婚相談所・結婚式場紹介」(29.5%)や「バー・スナック」(26.9%)、「婦人・子供服小売り」なども女性の得意分野だ。

   なお調査は、個人事業主や非営利・公益法人を除く約120万社を対象に実施した。

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