2018年 6月 18日 (月)

朗報! 仕事中にネットを見るのは「サボリ」にあらず? 米国で発表

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   モフモフの猫の動画にニンマリしたり、気になるニュースを追いかけたり、芸能人のインスタに目の保養をしたり...... 仕事中にこっそりインターネットをのぞく人は少なくない。

   こうしたネットの私的利用は「サボリ」とみなされることが多いが、そんな人に朗報だ。「仕事中のネットサーフィンは生産性を低下させない。むしろ退屈を紛らわせる自然な行為だ」という研究が発表されたのだ。

  • 仕事中のネットサーフィンにも効用が(写真はイメージです)
    仕事中のネットサーフィンにも効用が(写真はイメージです)

米国ではPCの私的利用に警報する企業も

   この研究を行なったのは、イスラエル・ハイファ大学と米サウスフロリダ大学の合同チームだ。コンピューターと人間行動の国際専門誌の最新号に論文を発表した。

   日本ではまだそれほど厳しくないが、米国では勤務中の私的なネットサーフィンを禁じる企業が多い。生産性を低下させるだけでなく、ネットワークの通信容量を余計に使うため、米国の企業は年間850億ドル(約9兆7000億円)の損失を負わされているという調査があるためだ。

   ウォールストリートジャーナルの記事「仕事中の私的ネット利用をやめさせるには」(2016年3月15日付)によると、米アリゾナ州立大学が、サイトを「従業員が常に訪問できるサイト」「時々訪問できるサイト」「訪問できないサイト」の3つに分類し、仕事に関係のないサイトを訪問した場合には、パソコン画面上に警告を出すソフトウェアを開発、導入する企業が出始めているという。

   従業員の通信を四六時中モニタリングするのは人権上の問題があるため、技術的にコントロールすることで、私的利用を抑え込もうという考え方だ。

   今回の研究は、私的なネットサーフィンは本当に生産性を下げているのか、という素朴な疑問から始まっている。米心理学ニュースサイト「PsyPost」の記事「仕事場でネットを閲覧しても生産性の妨げにはならない。この記事を上司に送って!」(2018年5月21日付)によると、研究チーム・リーダーのシャニ・ピンデク博士(心理学)はインタビューにこう語っている。

ネットサーフィンは本来の仕事を妨げない

「私たちの興味は、私的なネット利用は単に仕事に退屈した時の自然な反応なのではないか、ということです。じつは、仕事が退屈になる理由と結果は十分解明されていません。たとえば、仕事に飽きてくる人がいたとして、それがどれほど生産性に有害なのか? また、勤務中の退屈が有害だとして、それを解消する手軽な方法があるのか? ネットサーフィンが退屈した時の手軽な対応の仕組みで、それによって退屈が解消されるとしたら、決して有害な行為だとはいえなくなるでしょう」

   そこで研究チームは、米国の公立大学のフルタイム従業員463人にアンケートを実施。「仕事中にどのくらい退屈を感じているか」「仕事中にどのくらいネットサーフィンをしているか」「自分の仕事量はどのくらいか」「ネットサーフィン以外にどのくらい生産性を下げると思われる行動をしているか」(たとえば、同僚とのお喋りや仕事の備品を探すなどの無駄な行為)などを詳しく聞いた。

   そして、それぞれの相関関係を分析した結果、「退屈する頻度の多さ」と「仕事量の少なさ」(=暇と感じている)が、両方ともネットサーフィンの多さと強く関連していることがわかった。

   つまり、ネットサーフィンは、本来するべき仕事の妨げになっているわけではなく、退屈と暇を強く感じている時の自然な対処法になっているというのだ。

   ピンデク博士はこう語る。

「退屈しのぎにネットサーフィンをしてしまうのは自然な心理です。必ずしも生産性を下げている行為とは言えません。従業員は、仕事量が少ない時もネットサーフィンをしがちですが、この場合も生産性を下げているとは言えないでしょう」

   そして、こうつけ加えた。

「企業側がネットサーフィンを禁じる理由があるとすれば、サイバーセキュリティーの脅威になるということだけです。ただし、もちろんネットサーフィンのやりすぎは禁物です」

「安堵した」「中毒になったらどうする」と賛否両論

   今回の研究に、インターネット掲示板には共感の声が相次いでいる。

「安堵した。非常に安堵した」
「仕事の区切りに頭切り替える時や、データ出力するのに2、3分かかる時とか、次の作業の脳内リセット的にモフモフなんか見ている。仕事に集中して区切りの時間もろくにない時に比べ、実感として疲れにくい気がするなぁ」
「私にとってネット閲覧は、一つの作業を終えて次のことをやる間の『箸休め』なポジション。天気予報やニュースが多い」
「わいも仕事の合間に動物の動画見て癒されてるわ。ニュースは泣いてしまう場合があるので昼休みに見ているよ」

   一方では、こんな疑問の声も――。

「だけど、中毒性あるからね、見始めたら止まらないこともよくあるはず。勉強だって、ちょっと息抜きのつもりでゲーム始めたら二度と勉強には戻らなかった、という子は非常に多い」
「動物の動画は見ていいとか、社内でルール決めたらいい」
「これが正しいみたいになると、公務員が仕事中に堂々と遊んだりするから困る」
「息抜きから戻れる人間と戻れない人間にはどんな違いがあるのか、はやく研究してくれ」

   なお研究論文は、

   「Computers in Human Behavior」(Volume86,September2018,Pages147~152) に掲載された。

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