2018年 7月 22日 (日)

その55 月刊「文芸春秋」の近年の「同級生交歓」 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   月刊「文芸春秋」の巻頭に「同級生交歓」と題し、モノクロの写真と短い記事からなるページがある。普通は小学校、中学校や高校で同級あるいは同期だった人たちが集まって、懐旧談にふけり、うち1人が記事にするといった趣向である。

   毎回、3校の同級生が登場する。1校あたり2人から多いときは5人、あるいはそれ以上になる。僕は月刊文芸春秋を開いたときには、いつもこの欄に目を通している。楽しみにしている。

  • 月刊「文芸春秋」の最近の「同級生交歓」から。
    月刊「文芸春秋」の最近の「同級生交歓」から。

連載60余年「文化」のにおい薄れた?

   でも、近年は毎回のように、「違和感」にとらわれる。「同級生」と言えば、ここに登場した人以外にも数十人がいるだろう。「同期生」なら、数百人はいるかもしれない。その中から、登場人物はどんな基準で選ばれるのだろうか。

   おおよその見当はつく。それは、月刊文芸春秋の編集部が「社会的に成功している」と認めた人たち、いわば「勝ち組」なのだろう。そして、編集部がめぼしをつけた政治家なり財界人・経済人なりに、本人の同級生、同期生から適当な人物を選んでくれるよう、頼むことも大いにあるのではないか。

   では、自分たち数人だけが「同級生交歓」に出られる「勝ち組」であり、昔のほかの仲間はその資格のない「負け組」なのか。「多くの仲間を差し置いて、自分たちだけが出しゃばるのは申し訳ない」という気持ちにはならないのだろうか。当然、「負け組」に入れられた仲間からの批判もあるだろう。

   ところで、この連載は1956年に始まり、2006年にはその50周年を記念して、「文春新書」がそれまでの代表的なものをまとめている。それらを読むと、さっき書いたような「違和感」にとらわれることはまずない。「自分たちだけが勝手に......」という苦情も出そうにない。何よりも「文化」のにおいがする。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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