東京都内で観測史上初めて40度を超えるなど、記録的な猛暑に襲われる日本。海外のメディアもこぞって日本の状況を伝えています。報道では、「殺人的な(暑さ)」「前代未聞の(猛暑)」など、この異常な「暑さ」を表現する形容詞が百花繚乱状態です。今回の「ニュースな英語」は「猛暑特集」。この暑さ、英語で文句を言っちゃうと、少しは涼しく感じるかもしれません(笑)。「経験したことない暑さ!」を英語で果てしなく続く猛暑に、35度を超える天気予報にもすっかり慣れてしまった今日この頃。「○○市で最高気温を更新!」というニュースに驚かなくなった私ですが、先日、埼玉県熊谷市で記録した41.1度の史上最高気温には、さすがに驚きを超えて恐怖を感じてしまいました。Japanesetemperatureshavepeakedat41.1CinKumagaya,acitynearTokyo.(東京近郊の熊谷で、日本国内の最高気温41.1度に達した)・peak(動詞):(ピークに達する、最高に達する)「最高気温に達する」は動詞の「peak」だけで表すことができます。日本語でも「ピークに達する」とよく言いますが、「山頂」などてっぺん(最高地点)に達するというニュアンスです。覚えておくと便利です。それにしても、41.1度とは、インフルエンザの時に体験した高熱よりも気温が高いということ。そんな暑さ、経験したことがありません!「体験したことのない暑さ」を英語ではどう表現するのでしょうか?海外メディアの報道を見てみると......。Japan'sdeadlyheatwave(日本の殺人的な猛暑)・deadly:命取りの、致命的な・heatwave:猛暑、熱波「dead」(死)の派生語「deadly」(命取りの、致命的な)は、文字どおり「命取りになりかねない暑さ」。つまり、「殺人的な暑さ」を表しています。じっさい、多くの方が熱中症で亡くなっているので大げさな表現ではありません。ちなみに、「熱中症」は英語で「heatstroke」です。「stroke」は「一撃」「発作、まひ」という意味の名詞。「heat(熱)による一撃、発作」という恐ろしさがダイレクトに伝わってきます。「熱中症に気をつけなくては!」と思わず身が引き締まる表現です。「deadly」のほかにも、「unprecedented」(前代未聞の)、「unusual」(ふつうでない)といった形容詞が多く使われていますが、現在完了形を使って「こんな暑さ、経験したことがない!」という表現が、会話には向いていると思います。I'veneverexperiencedsuchahotsummerbefore!(こんな暑い夏、経験したことがない!)さらに、次の一文を加えると、「上級者」っぽくなります。ぜひ使ってみて下さい。It'sstillJuly,IwonderwhatwillhappeninAugust!(まだ7月なのに......。8月はどうなることやら!)えっ、アイスクリームは暑さ対策にならない?この記録的な暑さ、じつは日本だけではなくカナダやヨーロッパでも観測されているようです。英国BBC放送は、夏のバカンスを前に「暑さから身を守るコツ」を伝えています。なかでも気になったのが、「eatsmart」(賢く食べる)方法の紹介。猛暑を上手に乗り切るために、次の5つの果物や野菜を摂取することを勧めています。Strawberries(イチゴ)Cucumber(きゅうり)Lettuce(レタス)Celery(セロリ)Melon(メロン)いずれも、水分を多く含むことが「推奨ポイント」だそうですが、ナント、夏の風物詩「アイスクリーム」はあまりオススメしないというのですから驚きです!Anicecreammayfeellikebriefrelief,butisn'tthebestforcoolingdown(アイスクリームは、一瞬は涼しく感じるが、クールダウンには最適ではない)アイスクリームに含まれる炭水化物などの糖分が消化にエネルギーを要するため、身体に熱が発生するから「オススメしない」とか。英国に限らずヨーロッパでは、夏になるとスーツを着たビジネスマンまでもがアイスクリームをなめなめ街を歩く姿を目にします。とにかく、みんなアイスクリームが大好き!このBBCの忠告がどこまで受け入れられるかわかりませんが、少なくとも日本のこの暑さではせっかくのアイスも溶けてしまいそうです。年々、暑さが猛々しくなっている感があるなかで、とにかく「deadly」で「unprecedented」な暑さは今年限りにしてほしいと、心の底から願います。(井津川倫子)
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