2020年 10月 25日 (日)

トルコ危機は「リラ買い」の好機なのか? 市場は「慎重な楽観主義」だが......(小田切尚登)

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トルコは米トランプ政権と袂を分かった

   トルコはもともと中東諸国の中でも、最も民主的な政策を推し進めてきた国とされてきた。米国との軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)への参加もそのおかげである。しかし、いまや米トランプ政権とは袂を分かった格好だ。

   エルドアンは「他に友人がいる」などとして米国をけん制するが、米国以外に頼れる存在はない。ロシアには経済力が乏しいし、中国には他国を救済するノウハウに欠けている。IMFの援助を得るのは、今の政府のスタンスでは困難だろう。エルドアン大統領の政策は現実社会を無視したもので、トランプ大統領と同じレベルでつまらない喧嘩をしているとしか言いようがない。

   しかし、彼は長年トルコのトップで君臨してきたしたたかな政治家である。今はメンツのために肩ひじを張っている格好だが、いずれは現実的な政策に移行していくのではないか――。今のような異常事態は早晩収まっていくという可能性を70%くらいにみている。

   逆にこのまま事態が悪化し続けて、ひいては世界経済をもろとも引きずりおろすというような可能性は30%程度と考える。現実のマーケットではトルコリラが若干戻してきているが、それも市場の「慎重な楽観主義」を反映していると思う。

   では、トルコリラが売られて安くなっている、今こそ買いに入れば儲けられるのか、ということだが、それはオススメしない。これは非常にリスクが高いやり方である。一度失われた国の信用が全面的に回復されるのには時間がかかる。

   せいぜいトルコリラにつられて下がった他の新興国を買いに動く、というのがいいところだろう。いずれにせよ、一般の個人投資家としては、よほど遊んでいる資金があるというのでもなければ、そういう火遊びはしないほうが賢明だ。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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