2024年 4月 19日 (金)

【追跡】航空機の内装品で絶好調のジャムコ 上昇気流にワクワク(石井治彦)

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   株式を売買するうえで、企業の業績は重要な判断材料となる。2018年8月7日、東京株式市場が閉まったあとに、航空機内装品などのジャムコの第1四半期(2018年4~6月)決算が発表された。

   営業利益は14億円。通期(2019年3月)予想は31億円を据え置いた。第1四半期決算の内容は18年9月の上半期予想(15.5億円)に近い水準に達している。

   ポジティブサプライズの決算内容を受けて、通期業績予想は大幅な上方修正が期待できるとの見方が広がり、翌8日のジャムコの株価はストップ高(プラス500円)の2921円で比例配分となった。9日には3025円と年初来高値を更新している。

  • ジャムコよ、上昇気流に乗ってくれ!(写真はイメージ)
    ジャムコよ、上昇気流に乗ってくれ!(写真はイメージ)
  • ジャムコよ、上昇気流に乗ってくれ!(写真はイメージ)

主力の航空機内装品が業績をけん引

   2015年10月の高値(5270円)から3年近くにわたって低空飛行してきたジャムコの業績に、ようやく明るさが見えてきたようだ。

   会社四季報(2018年3集夏号)によると、ジャムコの事業構成(18年3月時点)は、航空機の内装品製造が66%、航空機シート製造が16%、航空機器製造は8%、航空機器整備が10%となっている。

   好調の業績をけん引するのは、主力の航空機内装品(ラバトリー=化粧室、ギャレー=厨房設備など)の業績改善のようだ。

   引き続き好調に推移すると考えられる要因として、次のことがあげられる。

(1)ボーイング787の月間製造機数は12機(2018年1~6月納入実績は72機)で、2020年までに14機まで増産の予定とされる。それに伴い、ジャムコが一手に引き受けている航空機内装品(ラバトリー、ギャレー、操縦室の内装・ドア)の納入は、引き続き順調に進むと思われる。
(2)18年5月17日に、2020年に引き渡しが予定されている777X機向けラバトリーの初出荷を発表している。
(3)18年1月16日に、エアバスA350型機向けICEギャレー(客室後方に搭載されるギャレーとラバトリーが一体になったもの)の初出荷を発表している。
(4)そのうえ、内装品事業の新たな柱として育成中のシート事業も、特注品主体からプラットフォーム標準化に方向転換。中期経営計画を見直し、19年度はシート事業の黒字化を見込んでいる(会社四季報2018年3集夏号)。
(5)今期の為替レートは110円に設定。現時点では、想定内に収まっているとみられること。

   現在のところ、これらの諸施策が効いているようだ。

果報は寝て待て!

   ジャムコ株を最初に購入したのは2014年12月11日。2700円で100株を買った。その後、売買を繰り返しながら増やしていったが、15年11月6日に4180円の高値でつかんでしまった。

    その後、株価は下落する一方で、16年6月28日にはとうとう1660円まで値下がりした。ここが「底」と、じっとガマンしたところ、株価はジワジワと上昇。昨年、チャンス到来。17年2月23日に2570円で100株、4月7日には2370円で100株を買い増した。

   前回、ジャムコ株を取り上げた時点(2017年6月4日付)では、「長期的にみれば、現在の株価は『買い増し』を検討してみる価値は十分にあると考えている」と記した。

   読みが当たってチャンスは続き、2018年になって2月8日に2250円で100株、2月29日には2160円で100株を、さらに買い足した。安いところで買い増したことで、現在は1200株を保有。平均取得単価は2879円と、前回掲載時より1株あたり241円、改善できた。

   ジャムコの株価は、8月8日に3025円の年初来高値をつけた後、3000円を巡っての攻防となっている。業績改善の継続が前提となるが、直近の8月24日には再び3000円を超えた。この勢いであれば、3700円~3800円までの上昇が期待できるかもしれない。業績改善を反映した長期の上昇気流に乗ってくれれば、うれしいのだが――。(石井治彦)

2018年8月24日現在 1200株保有 平均取得単価 2879円
年初来高値 2018/08/24 3090円
年初来安値 2018/03/26 2060円
直近 終値 2018/08/24 3090円

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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