2018年 10月 23日 (火)

働き方改革はオフィス環境も重要 より高い生産性、創造性を引き出すAGCの「仕事場」

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   ガラスメーカー最大手のAGCが、眼鏡ブランドのJINSを運営するジンズが開発した「集中を科学するワークスペース Think Lab」とのコラボレーションで、東京都千代田区の本社オフィス内に「DEEP THINKスペース」を新たに開設した。

   社員が仕事に集中できて、働きやすいオフィスをつくることで生産性や創造性を、より高めるのが狙い。「働き方改革」はオフィス環境も重要、というワケだ。

  • AGC専務取締役CFOの宮地伸二氏(左)とジンズ Think Labプロジェクトリーダーの井上一鷹氏(2018年9月14日、AGC本社の「スカイテラス」で)
    AGC専務取締役CFOの宮地伸二氏(左)とジンズ Think Labプロジェクトリーダーの井上一鷹氏(2018年9月14日、AGC本社の「スカイテラス」で)

テーマは「時間の価値の最大化」

   AGCが採用した「Think Lab」のノウハウは、ジンズが2017年12月1日に東京・飯田橋にオープンした、世界一集中できる環境を目指した会員制のワークスペースがベースになっている。予防医学研究者の石川善樹氏監修のもと、科学的根拠に基づき「集中」に最適な環境を研究。より生産性の高い状態を生み出す働き方を提案している。

   一般企業ではAGCが初めての導入で、社員は誰でも、7時から21時まで利用できる。メディアには2018年9月14日にお披露目されたが、1週間で約60人の社員が利用したという。

   AGCが「DEEP Think スペース」を設置した背景には、長期経営戦略「2025年のありたい姿」の実現がある。「人財で勝つ会社」を目指すなかで、人事制度や働き方改革を進め、社員の生産性を高めていくが、同社ではその生産性の向上を「一人ひとりの挑戦を増やすこと」と位置づけ、高い意欲を持つ人財がどんどん挑戦することができ、自分を成長させていけるような人事制度や組織風土をつくっていきたいとしている。

   同社は、これまでも育児・介護に限定しない在宅勤務制度や、コアタイムを設けないフレックスタイム制を導入。個人の力を最大限に引き出すため、社員が自主性を高めながら、効率よく働ける制度を設けてきた。テーマは、「時間価値の最大化」だ。

   AGCがそのために利用しているのが、「スマートロガー」。動態分析システムのアプリケーションで、いつ、誰が、どこで、何をしているかを把握するためのツール。すでに同社の工場や研究所で導入しており、スマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスを活用して、社員の業務時間を収集する。

   AGCはスマートロガーで得られたデータを分析することで、働き方改善につなげ、収益力や競争力向上に役立てている。

   さらに、ジンズが開発した集中度や眠気を計測するメガネ型ウエラブルデバイス「JINS MEME」を着用して働くことで、仕事の見える化、効率化を実現。社員が任意で着用し、集中度の変化を測定して分析することで、社員一人ひとりの生産性の向上を図っていくという。

オフィスに鳥のさえずり、ヒノキの香り

   「DEEP THINK スペース」は、「おひとり様」用のコンストレーションスペース(12室)のこと。本社34階にある「スカイテラス」の中にあり、皇居が見える窓際のスペースはポジティブな、発想を膨らませるイマジネーションスペースと、丸テーブルを配置したコミュニケーションスペースの、3つのゾーンのひとつだ。

   12室は個室ではなく、間仕切りを立ちあがったときの目線の高さにすることで、全体を見渡せるようにした。こうしたオープンスペースにしたのは集中力を高めるため、プライベートスペースとパブリックスペースのバランスを考えてのこと、という。

緑の植木の奥が「おひとり様」用のコンストレーションスペース
緑の植木の奥が「おひとり様」用のコンストレーションスペース

   集中力を高めるため、「姿勢」「スマホアプリ」「植物の最適配置(視覚)」「ハイレゾ音源(聴覚)」「香り(嗅覚)」の5つのポイントから、アプローチした。

   姿勢では、机に向かって腰かけたときに、アイデアを創出するときは視線が上向き、ロジカルシンキングするときは視線が下向きになるよう、席が工夫されている。「集中するためには、自分の時間をしっかり確保する必要がある」(ジンズ Think Labのプロジェクトリーダー、井上一鷹氏)ことから、今後、自分の集中する時間を予約するためのアプリの導入も予定している。

アイデアを創出するときは、視線は上向きに!(ジンズThink Labの井上一鷹氏)
アイデアを創出するときは、視線は上向きに!(ジンズThink Labの井上一鷹氏)

   ストレスが消え、パフォーマンスが上がる状態にするため、植物を最適に配置。「緑」の癒し効果を狙う。ハイレゾ音源の自然音からは鳥のさえずりが聞こえるが、耳には聞こえない高周波の音も提供することで、リフレッシュし、発想に結びつく、意識せずに集中力を高める仕掛けを備えた。それにより、「集中が続きやすい環境」を用意。また、香りは集中に入りやすい、やる気スイッチを入れるきっかけをつくる効果があるとされ、AGCではヒノキや柑橘系の香りで、集中できる、最高の空間で社員の生産性、創造性を向上させる。

   AGC専務取締役CFOの宮地伸二氏は、

「自ら考え行動する風土をつくることが、社員の生産性、創造性を高めていく。その思いで、働き方改革に取り組んでいます」

と話す。

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