2024年 4月 24日 (水)

仰天! 独身男女の6~7割が実家に居候(前編) 海外メディアも「オー マイ ゴッド」!!

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「長期子どもポジション・キープ」というメリット

   これほど実家に依存する独身者が多いと、天野さんは「これでは初老になるまで、パートナー(結婚相手)を持つメリットなど感じられなくなるのではないか」と心配する。

   結婚のメリットの一つに、経済的コストが2人世帯になると7割に減ることがあげられるが、両親と3人世帯なら1人当たり6割に、祖父母と同居の5人世帯なら5割に減るからだ。

   天野さんはさらにこう指摘する。

「おまけに掃除や料理は母親、近所付き合いも母親、不動産コストはゼロ、父親のクルマが足代わり......と、実家には結婚メリットでは得難いメリットがたくさんあります。経済的にリーズナブルなうえに、子ども時代から長年親しんだ習慣から離れなくてもいい『長期子どもポジション・キープ』というメリットです。こうなると独身者が、親を超える大金持ちとの結婚以外メリットなし、という思考になっても仕方がないでしょう」
ニッセイ基礎研究所・研究員の天野馨南子さん
ニッセイ基礎研究所・研究員の天野馨南子さん

   しかし、当の独身者もいつまでもこのままでいいとは思っていない。「おひとり様の老後」に不安を抱えている。明治安田生活福祉研究所の「35~54歳の結婚意識に関する調査」によると、未婚者に「一生独身でいることを決意・覚悟した理由」を聞くと、男性の4割、女性の3割が「結婚が向いていない」と答えた。

   その一方で、45歳以上の未婚者は「やっぱり結婚したい」と考えるようになった人が多く、その理由を男性の4割、女性の5割が「老後1人で生活することが不安だ」と答えている。

   天野さんは、こう訴える。

「調査をみると、独身男女が『結婚が向いていない』『結婚のメリットがわからない』と答えている背景の一つに、男性の6割超、女性の7割超が『身内だけのリーズナブルで気楽な暮らし』があると考えてよいと思います。ここは独身者本人だけでなく、成人しても実家に住む独身の子を抱える親御さんにぜひ思い出してほしい言葉があります。『可愛い子には旅をさせよ』です」

   実家に居候する独身者の増加に、私たちはどう対応したらよいだろうか。後編では、天野馨南子さんへのインタビューを紹介する。(福田和郎)


●プロフィール
天野馨南子(あまの・かなこ)
ニッセイ基礎研究所・生活研究部研究員。1995年日本生命保険入社、99年ニッセイ基礎研究所に出向。内閣府の「地域少子化対策強化事業の調査研究・効果検証と優良事例調査」企画・分析会議委員、愛媛県法人会と松山市「まつやま人口減少対策推進会議」専門部会結婚支援ビッグデータ・オープンデータ活用研究会メンバーなどを歴任。真の日本の女性活躍推進・少子化対策のあり方を考察・提言を発信している。

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