2019年 10月 16日 (水)

【投資の着眼点】プロトレーダーに学ぶ「損切り」の重要性

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   「損切りができない」という悩みを抱える投資家は多い。そのため、損切りができない人の心理を解説した書籍やブログは数多く存在する。

   相場の世界では、たった一回でも損切りをしなかっただけで資金の大半を失ったり、最悪の場合は追証が必要となったりすることがある。おそらく、投資歴が長い人であれば、ほとんどが損切りの重要性を痛感していることだろう。

  • 「損切り」しないと大変なことに!
    「損切り」しないと大変なことに!

損切りしないと会社が傾く

   確かに、損切りは大事だ。とくに頻繁にトレードする短期売買の場合は、言うまでもない。しかし、頭では損切りが大事であることがわかっていても、実際に相場に臨むと、損切りはつらいものがある。

   ただ、損切りがつらいという実感があるなら、それをやわらげるために取るべき策はある。

   世の中には個人投資家以外に、会社の仕事として投資に携わる人たちがいる。彼らは機関投資家と呼ばれ、ファンドのマネージャーだったり、年金基金の運用者だったり、あるいは誰か(顧客)のお金ではなく、会社の資金を任されて運用する人たち(プロップ・トレーダーという)もいる。

   彼らは、職業として株式などを運用するため、一定期間成績が振るわないと、クビになってしまうことがある。だから、資産運用に対する姿勢は必死そのものなのだ。

   したがって、損切りに対する方針も、個人投資家よりも明確で厳密な規定が、会社の方針として存在することが多いとされる。運用者が損切りしないで損失が拡大するのを放置してしまうと、最悪会社が破たんするという事態になりかねないためだ。

   1992年、200年以上の歴史を誇るイギリスの名門銀行、ベアリングス銀行が経営破たんした。その原因は、当時シンガポール支店に勤務していた、たった一人の社内トレーダーがオプション取引の損失を粉飾して誤魔化し、その損失が拡大したことだった。

確実に損切りするために必要なことは?

   機関投資家として活躍する投資家が、損失を一定以上拡大させないための損切りのルールとして定めていることには、どのようなものがあるのだろうか――。

   一つは彼らが組織として、つまり運用部門という「チーム」として動いていることにある。分業体制を確立していて、トレーダー各人のポジションを管理する立場にある担当者(または、担当部署)が存在する。

   その担当者の仕事の一つは、各トレーダーのあらかじめ決められた許容限度である損失額を超えると、該当するトレーダーのPC端末を社内回線からシャットアウトして、すべてのポジションを強制的に決済させる、というものだ。

   機関投資家は常に監視されている立場にあるため、一定の損失を出してしまうと、強制的に損切りせざるを得ない。確実に損切りするためのヒントは、損切りせざるを得ない環境に身をおくことにあるといえるだろう。

   とはいえ、個人投資家の資産運用は「チーム」として取り組むというのは難しい。ただ、こんな話がある。米国で著名な個人投資家の一人として、マーティ・シュワルツ氏が知られている。彼は、全米の著名な投資家やファンドマネージャーへのインタビューが記録されている、ベストセラー「マーケットの魔術師」(パンローリング刊)に掲載された個人投資家だ。

   株式取引をはじめて最初の9年間は損失を出していたが、その年月を経てようやく勝てるようになった苦労人の彼が、自伝となる著作「ピット・ブル」(パンローリング刊)で、こう語っている。

   彼の妻、オードリーは、シュワルツが専業トレーダーとなって以来、いつも隣にいて仕事をしてきた。オードリーは彼の心理状態を完全に把握しており、必要に応じて「早く損切りして」といったアドバイスをしてきたという。

   一見、チームプレーと無縁な個人投資家であっても、身近な人の協力が成功のカギとなるのかもしれない。(ブラックスワン)

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