2019年 11月 21日 (木)

見えてきた、米金融政策の転換点 年末年始の円高ドル安に注意(志摩力男)

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   2018年12月18日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、過去3年続いた米金融引き締め政策の転換点になるかもしれないという思惑から、かつてなく注目度が高まりました。

   米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が現在の政策金利が中立金利の「Just Below」と表現したことや、米株式市場が乱高下していることも背景にあります。

   結果は予想どおり0.25%の利上げ。そして「ドットチャート」(米国の短期金利の指標となるフェデラル・ファンド=FFレート誘導目標の水準をトッドの分布で示したチャート図のこと)は下方向にシフト、2019年の利上げ回数は従来予想の3回から2回となりました。

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パウエル議長の「変身」のなぜ?

   しかし、為替市場はそれ以上に「ハト派」的な内容を織り込んでいました(2019年利上げ「ゼロ」まで下落)。

   記者会見に臨んだパウエル議長は、少し意外なほどにタカ派的でした。ハト派の顔は一切見せませんでした。FOMC前にトランプ大統領から何度もツィッターで「金融引き締めはやめろ」と攻撃されていたので、余計頑なになっていたのかもしれません。

   会見でもトランプ大統領からの「口撃」に対する質問が出ていましたが、パウエル議長は「政治の影響は完全に排除している」との模範解答だった。

   そもそも政治(家)からの影響を排除するために中央銀行は独立しています。しかし、もしトランプ大統領の経済認識のほうが正しかったとしたら、どうなるのでしょう。「政治からの影響排除」を示すことが優先され、正しい政策を採ることが妨げられてはいないでしょうか。

   パウエル議長は10月初めに、政策金利は「long way」 from a neutral level (中立金利から「ずいぶん離れている」)と言っていました。

   ところが、11月の終わりには、「just below」 broad estimates of a level considered neutral(中立と考えられているレベルを「わずかに下回る」)となりました。

   その間に、株価の乱高下はありましたが、なにか極端に悪化した経済指標が出てきたわけではありません。

   では、議長はどうして「変身」したのでしょうか――。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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