2019年 1月 17日 (木)

その72 議員バッジ「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   河野太郎外相は2018年12月11日の記者会見で、記者団からの質問にはまったく答えず、「次の質問どうぞ」を3度、繰り返した。怒った記者団からの「なんで『次の質問どうぞ』と言うのか」との問いにも、「次の質問どうぞ」と言うだけだった。「お答えできない」とすら言わなかった。

   記者団の質問は日ロ平和条約交渉についてのもので、答えにくかったのだろう。だが、それにしても前代未聞、傲岸不遜(ごうがんふそん)、説明責任を放棄した、あるいは「選良」とはとても思えない、ひどすぎる対応だった。

  • 河野外相の胸にはバッジが……(画像は外務省のホームページから)
    河野外相の胸にはバッジが……(画像は外務省のホームページから)

尊大な態度は燦然と輝くバッジのせい

   河野外相は数日も経ってから、やっと謝罪したが、どうして平然とあんな尊大な態度を取れたのか。それは、僕に言わせれば、燦然(さんぜん)と胸に輝く、あの「議員バッジ」の影響が大きいのではないだろうか。

   かつて野党の国会議員を長く務めた80歳代の旧知の女性に、そう尋ねてみた。答えは「そりゃ、そうですよ、あなたの言う通りよ。あのバッジをいったん胸につけるとね、周りがいっせいに平身低頭してくれるの。自分が突然、偉くなったような気になるのよ。河野太郎? もう少し賢い男かと思っていたのだけど......」。

   テレビでニュース関連の討論番組を見ていると、国会議員が話し手としてよく出てくる。衆議院議員と参議院議員とでは、バッジの色などがやや違うけれど、みんな申し合わせたように、胸につけている。

   国会議員がメディアに出る時には、バッジをつけるようにとの申し合わせでもあるのだろうか? 

   いや、そんな話は聞いたことがない。あのバッジは、そもそもは国会に入る際に、本当に議員かどうかを確かめるために作られたものだそうだ。都道府県議会や市町村議会の議員も、形や色は微妙に違うけど、みんなが胸につけているみたいだ。

自分の都合でバッジを外すワケは?

   しかし、今やハイテクの時代である。あんなものを胸につけていなくても、本物の議員かどうかなんて、瞬時に判別できるはずである。

   それなのに、あれを身に着けてうれしがっている(?)。それは「上から目線」で人々を見下したいとの精神の表れではないだろうか。

   そのくせ、自分の都合でバッジを外したりする。いつだったか、某大臣が昼間、怪しげなヨガ教室に公用車で通っている、と写真付きで週刊誌に報じられた。怪しげか否かは別として、彼は公用車を降りてヨガ教室に入る前、写真で見ると、ちゃんと胸のバッジを外していた。バッジを外すことで公私を分けているとでも言いたいのだろうか?

   いずれにしても、議員バッジはなくすべきである。そうなれば、わが国の政治も、もうちょっと「国民目線」のものになるかもしれない。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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