2024年 4月 26日 (金)

【投資の着眼点】税金は納めなければいけません! でも、「節税」方法はあります

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   NISA(少額投資非課税制度)口座などを除けば、株式投資で利益を得ると、税金を納めなければならない。

   株式投資にかかる税金は、株を安く買って高く売ったときにかかる「譲渡益課税」と、配当金を受け取ったときの「配当課税」がある。

   このうち、確定申告が必要な「譲渡益課税」の税率は、所得税15.315%(特別復興税を含む)と5%の住民税(ただし、海外居住者が日本株を取引する場合、住民税は不要)を合わせた20.315%。特定口座の場合は譲渡差益も源泉徴収の対象で、確定申告は不要となる。

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投資にかかる税金は所得税よりも優遇されている

   株式の取引で得た利益にかかる税金は「申告分離課税」という方式を採用していて、通常の所得に適用される総合課税(最大55.945%)よりも優遇されている。

   日本をはじめとする多くの国や地域が、株式などの金融取引で得た利益(キャピタル・ゲイン)にかかる税金を、通常の所得にかかる税金よりも優遇している。

   より多くの国民が投資を行うことを奨励して国を発展させるため、と推察できる。

   この申告分離課税は、株式以外では外国為替証拠金(FX)取引などにも適用される。ただし、この申告分離課税が適用されるためには、一定の条件を満たす必要がある。

   まず、国内の証券会社で取引されていること。海外(オフショア)で開設したFX口座で得た利益については20.315%の税率は適用されず、最大55.945%の課税率が適用される。

   一部の仮想通貨(ビットコインなど)で得た利益は、金融庁から金融商品として指定されていないため、同じように総合課税の対象となる。また、法人名義の口座で取引する場合は、異なる税率が適用される。

   国内の証券会社で株式やFXを取引する際にかかる税率「20.315%」は、決して高くない課税率だ。

   しかし、海外証券口座を利用する必要がある場合や、金融庁から金融商品に指定されていない商品を取引する場合、あるいは法人名義で取引したい場合は、この税率は適用されない。とくに、総合課税される場合の最大55.945%という税率(国税45% + 住民税10% + 復興特別税0.945%)は、毎年多くの稼ぎがある投資家にとっては非常に大きな負担となる。

税制の抜け穴 ドバイへ移住してみます?

   税の抜け穴ともいえるような方法だが、かつては税率を大幅に軽減するスキームがあった。

   「外国子会社配当益金不算入制度」という税金を少なくする制度があり、日本の親会社が外国子会社から受け取る配当は、その95%(源泉税控除前)が非課税となるという。したがって、租税回避地(タックスヘイブン)と呼ばれる、法人税がゼロかきわめて低い地域に外国子会社を設立。その子会社の名義で海外にFX口座などを開設する。

   ちなみに、タックスヘイブンの国・地域として、英領ケイマン諸島の名を聞いたことがある人は少なくないかもしれない。

   その取引で得た利益を、すべて外国子会社からの配当として日本で設立した親会社で受け取れば、利益のわずか5%だけが課税対象となる。残りの95%については、海外との二重課税を防ぐ目的で課税されないというわけだ。

   ただし、これは2016年頃までは無条件に使えた節税スキームで、現在は大幅に条件が追加されて対策されている。

   現在も、節税する「抜け穴」はあるのかもしれないが、それが世の中に広く伝わるときには、また税法が改正されるだろう。それはまるで「いたちごっこ」のようなものだ。

   結局のところ、20.315%の分離課税が適用されない投資家が、永続的に大幅な節税を合法に行うためには、海外に移住する以外に選択肢はないようである。

   実際、多くの投資家が香港やシンガポールに移住している。これらの地域では、キャピタル・ゲインは原則非課税だからだ。

   他の候補としては、ドバイ(アラブ首長国連邦)やモナコなどがある。ドバイは、所得税と法人税がゼロ。オイルマネーで潤うドバイは財源が豊富なため、所得税を徴収する必要がないのだろう。

   南フランスにあるモナコは、所得税が非課税。とはいえ、実際にモナコで暮らすためには、フランス語が話せないと、かなり肩身の狭い思いをするらしい。

(ブラックスワン)

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