2019年 7月 22日 (月)

その75【中国編】親切すぎる「ゴミ箱」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   日本から中国に行って街中を歩くと、道路わきに置かれたゴミ箱の多さに目を奪われる。

   写真は桂林で撮ったものだが、手前のゴミ箱から20メートルほど先にも、またひとつある。写真には写っていないけど、さらにその先にもひとつ、街中にゴミ箱があふれているみたいである。

  • 街中にあふれる感じのゴミ箱(中国・桂林市で)
    街中にあふれる感じのゴミ箱(中国・桂林市で)

2階建てバスのフロアごとにゴミ箱!

   実はこの光景、桂林だけではない。中国のどの都市に行っても同じなようで、道路を歩いていて手元のゴミの捨て場に困ることはまずない。

   ちなみに、ゴミ箱はおおむね、資源として回収できるものを捨てる部分と、その他のゴミの部分のふたつからなっている。

   街中にゴミ箱が目立つのは、何も中国に限ったことではないだろうが、「(2001年)9.11」以降だろうか、日本ではゴミ箱をあまり見かけない。そのせいで、日中両国の大きな違いにイヤでも気づかされる。

   街中だけではない。写真にあるように、桂林では公共バスの中にもゴミ箱が置いてある。家庭で使うようなプラスチック製の粗末なものだが、2階建てのバスだと、ちゃんと2階にも備え付けてある。

公共バスの中のゴミ箱(中国・桂林市で)
公共バスの中のゴミ箱(中国・桂林市で)

   僕は中国からの帰り、上海から大阪行きのフェリーに乗ったのだが、ターミナルの広い待合室で見渡したところ、なんと10以上のゴミ箱が目に入ってきた。手元のゴミをどこに捨てようかと迷ってしまうぐらいだ。

   翻って日本では、テロを恐れてか、街中などのゴミ箱はどんどん減ってきた。わが家の近くの公園でも、大きな金網製のゴミ箱がいくつもあって便利だったが、いつのまにか姿を消してしまった。

日本では「ゴミは持ち帰れ」ということ

   日本では、「ゴミは持ち帰れ」ということなのだろう。そして、決められた日に、ちゃんと分別して、決められた場所に置いておきなさい、そうでないと、ゴミの収集はやりません、ということになっている。

   しかし、中国では適当に分別して街中のゴミ箱に捨てておけば、役所がちゃんと集めてくれる。日本の冷たい役所とは大違いだ。毛沢東氏の有名な言葉「為人民服務」(人民のために尽くせ)が今も生きているのだろうか。住宅団地内のゴミ箱だと、資源として回収できるかどうかなんて、考える必要もない。一緒くたにゴミ箱に放り込んでおけば、誰かが絶えずやって来て、カネになるプラスチックなどは持ち去ってくれる。

   中国式と日本式とでは、どちらがより好ましいだろうか――。ひとつ言えるのは、中国人が初めて日本に来た時、街中にゴミ箱が見当たらないので、「どこに捨てればいいの?」と、戸惑ってしまうそうだ。やむを得ず、道端に捨てれば、日本人から白い目を向けられてしまう。逆に、日本人が初めて中国に行っても、ゴミ箱の多さにびっくりするぐらいで、戸惑うことはまったくない。

   したがって、僕に言わせれば、中国の役所は人民に対して、少し親切すぎるのではないか。中国人が日本に旅行した時にあわてないためにも、日本の役所を見習って、人民にもう少し「自己責任」を求めるべきではないだろうか。

   公共バスの中のゴミ箱なんて、過保護も過保護、まさにやり過ぎである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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