2019年 12月 11日 (水)

人気ビジネス書の第1位は巨大IT「GAFA」を「ペテン師」と批判したアノ本(気になる本の散歩道)

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   ビジネスリーダーに一番好評だった2018年後半のビジネス書は何か――。それは世界で最も影響力がある企業、「GAFA(ガーファ)」=グーグル(G)、アップル(A)、フェイスブック(F)、アマゾン(A)の強さの秘密と脅威を明らかにした本、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』であることがわかった。

   新刊ビジネス書情報誌「TOPPOINT(トップポイント)」が、1万人以上の定期購読者を対象とした読者アンケートを行い、約60点の新刊本の中から評価の合計点が高い順から選んだ。2019年1月25日の発表。

  • ベストテンに選ばれた10冊(『TOPPOINT』提供)
    ベストテンに選ばれた10冊(『TOPPOINT』提供)

「GAFA」は聖書にある「地上の人間を殺す権威」

   大賞に輝いた『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(スコット・ギャロウェイ著/東洋経済新報社)は、メディアやほかのビジネス書が、4社のビジネスモデルを称賛する傾向が多く見受けられるなか、GAFAを「ペテン師」と評し、彼らが情報や利益を独占することで生じる問題点を浮き彫りにしている。

   J-CASTニュースBOOKウォッチでも、2018年12月29日付の書評「世界を大きく創り変えた『GAFA』の正体と見えない危険」
https://books.j-cast.com/2018/12/29008443.html
の中で、こう紹介している。

「筆者はGAFAを聖書のヨハネの黙示録に登場する四騎士になぞらえる。地上の4分の1を支配し、剣、飢饉、悪疫、獣によって『地上の人間を殺す権威』を与えられている恐ろしい存在だ。聖書になじみがないわれわれには大げさな表現に思えるが、読み進むとそうした比喩が絵空事ではないと実感させられる」

   そして、GAFAの「危険性」の具体例を記述したあとで、読者にこうアドバイスした点が人気の秘密になっていると指摘している。

「日本の読者にとってかなり参考になりそうなのは第10章の『GAFA以後の世界で生きるための武器』だ。......親切な筆者は、年が若いわけではなく、一流大学出身でもない人たちに具体的なアドバイスを送ってくれる。年をとっても新しいものを受け入れる、会社とは『連続的単婚』を心がける、組織ではなく人に誠実に、など。連続的単婚とは......会社を変わるのは構わないがその会社にいる間は誠実にということのようだ」
「ほかにも好きなことではなく得意なことでキャリアを築く、不満を口にしないというのもある。この章は、今の仕事を続けていくかどうか迷っている社会人への誠実なアドバイスにもなっている。GAFAにそれほど興味がない人も、今の会社に居続けるべきなのか、そうではない選択があるのか、を考えるうえで参考になりそうだ」

2位、3位は無能な「オッサン」と「トランプ」の批判本

   「TOPPOINT」の読者アンケートでは、こんな声があった。

「GAFAはもとより主に米国のプラットフォーマーに対しては、日本は国家としても私企業としても、もっと真剣にその脅威を警戒した方がよい。本書はその警鐘に良い1冊だ」(男性)
「やっとGAFAの脅威を指摘した本が登場したか、というのが感想。しかしもう手遅れだろう。ロビイングで生き残るだろう」(50代・男性)
「普段からGAFAのサービスを便利に利用しているが、これほど全世界的に影響力が広がっているとは想像以上だった」(男性)
「いつの間にか世界はこの4社に支配されている。日本からプラットホーム企業が出ないのが残念でならない」(60代・男性)

   ベストテンの2位以下は次のとおり。

2位:『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』(山口周著/光文社)
3位:『対立の世紀 グローバリズムの破綻』(イアン・ブレマー著/日本経済新聞出版社)
4位:『遊ぶ鉄工所』(山本昌作著/ダイヤモンド社)
5位:『未来の年表2』(河合雅司著/講談社)
6位:『日本人として知っておきたい世界史の教訓』(中西輝政著/育鵬社)
7位:『世界でいちばん働きがいのある会社』(マイケル・C・ブッシュ&GPTW調査チーム著/日経BP社)
8位:『〔エッセンシャル版〕行動経済学』(ミシェル・バデリー著/早川書房)
9位:『新世界秩序』(ジャック・アタリ著/作品社)
10位:『逃げられない世代』(宇佐美典也著/新潮社)

   ちなみに2位は、「オッサン」にとって耳の痛いことが書かれている。今の50代~60代はキャンパスがレジャ-ランド化した頃に青春を謳歌した「知的真空世代」だそうだ。70代~80代のたくさん本を読んだ「教養世代」、40代~30代の「実学世代」に挟まれながら、この無能なオッサンたちが企業で実権を握っているのが日本社会の劣化を招いていると指摘する。

   3位のキーワードは「われわれ対彼ら(us vs.them)」だ。トランプをはじめとするポピュリストの勃興の原因は、世の中に不満を持つ人々(=われわれ)に対し、われわれがこのような状況に陥ったのは「彼ら」のせいだ、という対立構図を作り出し、「彼ら」を悪者にすることで「われわれ」の支持を集めるためだという。そして、「トランプは不快で嘘つきで無能だ」と決めつけている。

(福田和郎)

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