2024年 4月 25日 (木)

ビジネスマンの最終兵器 予測不能な時代にこそ学んで損しない「経営学」(気になる本の散歩道)

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働き方改革で失われる「学び場」?

   ビジネスシーンのもう一つの変化に、ここ数年の「働き方改革」があり、企業は残業を減らすなどの労動環境の改善を図っている。働きやすくなるのは結構なことだが、じつはその進捗とともにビジネスパーソンの学ぶ時間や学ぶ機会が切り捨てられているとの指摘がある。

   かつては「仕事をしながら、それを勉強の材料にしていた」ものだが、効率重視のためにそうした時間がなくなり、仕事への習熟は、個人がプライベートな時間を使って学ぶかどうかに任されているケースが多いためだ。

   終身雇用の時代には企業は人材育成に熱心だったが、転職市場が拡大したことで、成果のみを求める企業が少なくないという。「人材の流動性が高まれば企業が人材教育にお金と時間をかけにくくなるのは当然といえば当然。その結果、人が学ぶか否かはますます個人に委ねられることになる」と著者。

   本書では、MBAを「大学・大学院で学ぶ」ほか、独学や仲間と学ぶ方法などを解説している。

   著者、陰山孔貴(かげやま・よしき)さんの経歴は異例だ。1977年、大阪府豊中市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科で電子・光子材料の研究を重ね修士課程を修了し、家電大手のシャープに入社。ヒット商品の一つである調理家電「ヘルシオ」などの企画開発のほか、経営不振に陥ったシャープの再建などに携わった。

   この再建業務をきっかけに、「経営」について学ぶ。同社に勤務しながら、神戸大学大学院経営学研究科専門職学位課程に籍を置き、博士課程を修了。経営学者の道に転じ、2013年から獨協大学経済学部経営学科で専任講師となり、17年から准教授。18年からは、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター技術経営研究部会招聘研究員を務めている。

「ビジネスマンに経営学が必要な理由 成長の壁を突き破る3つの力」
陰山孔貴著
クロスメディア・パブリッシング
1480円(税別)

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