2019年 11月 13日 (水)

社長が抜いた宝刀「私のやり方に反対なら、会社を去れ」 して、その後は......(大関暁夫)

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業績悪化と社員の不満の板挟みで「爆発」

   以前、規模こそ違いますが、私の周囲でも似たような出来事がありました。二代目のN社長率いる機械設備設計会社のT社は当時、従業員50人ほど。高度成長の波に乗って伸びてきた先代の時代とは異なり、彼が会社経営を引き継いだ1990年代後半はバブル経済崩壊後の低成長時代に突入した折でした。

   大手企業も経費削減から、あらゆる業務におけるコストカットを実施して、外注費の大幅削減が行われ、T社もその煽りをモロに受けることになりました。N社長は本当に運悪く、会社を引き継いでからの数年間は右肩下がり一辺倒の業績で、必ずしも社長の手腕ばかりに問題があったわけではありません。しかし賞与の減額、給与手当の一部廃止などで業績の低迷を乗り切ろうとする経営方針に、社員の不満もくすぶりはじめてきました。

   社長は基本的に先代に見習って、番頭的役割のH常務を通じて指示を社内伝達。常務の裁量で社員をまとめさせつつ、動かしていました。H常務は職人肌の技術者で、あまり多くを語らないタイプです。

   業績が安定していた先代の時代には、このやり方で何の問題もなかったのですが、業績の急激な悪化による体制立て直しに向けて、社内の意識改革を図るためには常務経由の指示は社長の危機感が伝わりにくく、その一方で社員からの待遇悪化に対する二代目への不満も漏れ聞こえるようにもなり、N社長のストレスは頂点に達しました。

   社長は口にはしにくいことを伝えたかったからなのか、社員に面と向かって檄を飛ばすのではなく社員の危機感を煽るのに、全社員への一斉メールで厳しい言葉を書き連ねたのです。

   しかし、その書き方が悪かった。数名の具体的な社員の名前を挙げて、

「Aくんのような、ダラダラと期限を無視したような業務の進め方はダメだ」
「Bくんは何度も同じようなケアレスミスが多く余計なコストがかかっており、これが改まらないなら辞めてもらうことになる」

といったような、かなり過激な個人攻撃を繰り広げたのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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